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スタッフコラム

明田 コラム
2016年09月21日

インキュベーションマネージャー(IM)

ソフト産業プラザ イメディオは、インキュベーション施設です。

さて、「インキュベーション」の言葉を改めて紐解くと
「(卵などが)孵化する」という意味です。

このことからベンチャー企業や
創業間もない起業家を育成支援することを
インキュベーションと呼ぶようになったようです。

私の仕事はインキュベーションマネージャー(以下IM)です。
インキュベーション施設の入居企業の起業家の方を
あらゆる面でサポートする役割を果たします。

さて、私自身も当初はIMとして何から始めたらよいか
全くわかりませんでした。とにかく始めたのが、支援対象である
入居起業家との密着でした。個人事業主の入居企業の社長と密着し
話を聞き語りました。一緒に事業計画を語り、顧客を訪問したり、
酒を酌み交わしたり。絶えず、その起業家と何が成長に
つながるのかを考え、語り合い、活動を続けました。
活動したことが、起業家の事業拡大にどれだけ貢献したかを
明確に表すことは、むつかしいですが、自分でもよかったと
思えることや、全く役に立たなかったなあと思うことなど多々あります。

私は、営業畑が長く、営業としての知識と経験は多少なりあり、
営業についてのアドバイスはできますが、財務や法務などは全く
自信のない分野です。自分に足りない部分は専門家に頼るということで、

財務や法務、特許、融資、専門的技術などの分野は外部の専門家に
依頼しています。しかしながら、このような業務を8年間もさせて
いただく中で、IMとしての経験も重ねて、生の現場でチャンスや
危険を感じ取る感覚が身につき、多少なりお役に立てるようなことも
できるようになってきました。
私自身もインキュベーションの中で育てられたIMなのかもしれません。

インキュベーションの現場で磨いてきた現場力であなたの起業を
応援させていただきます。ぜひ、IT、IoT、ゲーム、アニメなどの
分野で起業をお考えの方、起業して間もない方、イメディオに一度
ご相談にお越しください。サポートの熱意はあります。

イメディオ「ビジネスインキュベーション」についてはこちら
https://teqs.jp/incubator/

明田 コラム
2016年03月09日

サイバー フィジカル システム(CPS)

物理学者ニュートンは、りんごが木から落下するのを見て 万有引力の法則を発見した
という逸話は有名です。ニュートンは神の存在を信じ、神についての著書も多く残す
キリスト教神学者でもあったようです。ニュートンの言葉に次のようなものがあります。

「自然哲学の根幹は神の属性や神と自然界の関係を探求することだ。」

つまり、物理学研究は神の創造する自然界を探求するものだとの意味でしょうか?

最近、AI(Artificial Intelligence:人工知能)という言葉をよく聞きます。

実社会の中でセンサーが収集した大量のデータをクラウドなどサイバー空間に蓄積して
AI(人工知能)により解析し、解析した結果から効果的なアクションを実社会に
返していくような仕組みの未来社会が描かれています。

例えば農業の分野では宇宙から観察した天候データ、センサーで収集した土の中の湿度、
温度、栄養量などのデータ、そして農作物の成長観察データを収集し蓄積して、これらの
データをAI(人工知能)が解析して最適な養分や水分量、光の量などを計算し、
ロボットやドローンを使って肥料や水分を補給し、農作物の成長をコントロールしていく
ようなことが考えられます。また、穀物相場の変動や消費者需要を見ながら収穫期を
調整するようなことも考えられるでしょう。

このような、実社会とコンピュータがつながる仕組みをサイバーフィジカルシステム
(CPS)というらしいです。サイバー(仮想空間:コンピュータ)とフィジカル
(物理的実社会)がつながり社会的価値を生み出すようなシステムやサービスです。

ソフト産業プラザでは来年度(平成28年度)新たにCPSを活用した
ビジネス創出事業が始まります。

りんごが落ちる様子をAIが観察し行動することにより人間に良質な社会が
実現されることを期待します。AIが神になることはありえないと思いますが。。。

(参考)大阪市ホームページ
「CPS/IoTを活用した新たなビジネス分野における創業を支援します」
http://www.city.osaka.lg.jp/hodoshiryo/seisakukikakushitsu/0000340067.html

明田 コラム
2015年12月22日

ハードウェア商品開発

今年もクリスマスの季節ですね。
街を輝かせるクリスマスイルミネーションを観て楽しまれた方もいらっしゃるかと
思います。最近のイルミネーションはかつての白熱ランプからLEDを使用されることが
多いようで、青白い光が主流でより冬の冷えた空気に似合いますね。

さて、先日ある入居企業の方が中国に視察されていろいろなイルミネーションとともに
電気製品を買ってこられました。いろいろ見せてもらうと日本にはない面白いアイデアの
製品もありました。観せてもらって感じたのは、中国の製品がコピー商品ばかりでなく、
チープながら作り手が独自のアイデアで考え出されたものがあるように感じられました。
作り手の「これおもしろいから作ったら売れるで。」というセリフが聞こえてきそうな
製品です。

IT関連のニュース記事によると、世界の工場である中国深センは今や自ら製品を生み
出すハードウェアベンチャーのシリコンバレー的存在となっているそうです。深セン、
台湾、香港にはハードウェア特化のインキュベータもあるということです。中国から
持ち帰った製品を拝見させていただきやっぱり中国には自ら製品を生み出す力を
つけてきていると強く感じました。日本の多くの人も中国が下請工場から脱却し
自社製品開発が出来る状況の変化に気づいていると思います。

先日、イメディオでクラウドファンディングのセミナーの講師でお越しいただいた
きびだんご株式会社の松崎社長がお話されていたことですが、日本の有名な大手電機
メーカーで若手のアイデアが社内の上層部で押し潰される事態が見受けられ、この状況
でいいのかという懸念から、若手のアイデアを製品化にするため、有名な自社の名を
伏せてクラウドファンディングをスタートさせ、社員が考えた商品企画にお金を集めて
製品化する取り組みをしたとの事例の紹介がありました。日本の大手メーカーがかつての
世界に新しい製品を提案し、世界の市場から支持されてきた時代をもう一度再興しようと
苦闘しているようです。

アップルのiPhoneの製造に代表されるようにシリコンバレーと中国のEMSと呼ばれる
業務委託工場と間は強い取引関係が築かれ、商品開発と製造のリレーションシップが
できています。日本の電子部品メーカーは、高度な技術部品をアップルに供給しています。
今後、シリコンバレー、中国、日本が、製造や技術、デザイン、商品企画、マーケ
ティングなどそれぞれの部分で、どこが何の役割を担うのか大きく変革していきそうです。
私たちも、大きく世界の状況を俯瞰していきたいと思います。そして、ここ大阪から
ハードウェアスタートアッパーを生み出す支援ができればと思います。

明田 コラム
2015年10月14日

知的財産

イメディオのインキュベーションに入居する企業の中には、
新たな製品を開発する企業がいくつか入居されています。

私は新たな製品を見せてもらう機会が時々あります。出来上がった製品を
見せていただくときは、なにか生まれてきた赤ちゃんを見るように、
ワクワクとさせられます。そして嬉しそうに紹介してくれる開発者の方から
製品を紹介してもらうとともに、こっそりと肝となる技術の秘密やアイデアを
教えていただくときがあります。

難しく私では理解できないこともありますが、なるほどと驚かされ感心してしまいます。
そして、ふと嬉しそうに開発した人の顔を見たとき達成感や喜びをその人から感じます。
同時に開発しカタチにするまで苦労したんだろうなーと察します。
だから聞いた内容について決して口外してはいけないと固く心に誓います。
知的財産は中小企業の武器のひとつだからです。

現在リバースエンジニアリングといわれるソフトウェアの解析や製品形状を
3DスキャナーでCADデータを生成し形状を真似ることが容易になってきています。
それだけに知的財産を特許出願するなどして守らなければなりません。一方、
製法やノウハウなどは特許出願せずに社内で秘密保持する場合もあるようです。
フライドチキンのスパイスレシピなどが、それに該当するものらしいです。

先日、特殊工具メーカーの株式会社エンジニアの高崎充弘さんにイメディオに
来ていただき、入居企業限定のセミナーで講演いただきました。高崎さんが提唱される
中小企業がヒット商品を生み出すためのノウハウ MPDPについてお話いただきました。

この4つMPDPはMがMarketing(潜在ニーズ)、PがPromotion(広報活動)、
DがDesign(デザイン)、PがPatent(知的戦略)で、これらがそろってヒット商品が
生まれるということを教えていただきました。

イメディオの入居企業からヒット商品を生み出され、企業のニュースとして発信して
いければと思います。きっとMPDPの4つのスパイスが効いていることでしょう。

明田 コラム
2015年07月22日

メイカーズバザールを省みて

先日の台風は、強い風と雨で大変でしたね。みなさま大丈夫でしたでしょうか?

先日、6月末に開催したデジタルものづくりの展示会「メイカーズバザール大阪」を
省みて出展者のみなさんが集まるミーティングに参加させていただきました。

参加されていたのは8人の出展者メンバーの方で、情報機器メーカー所属の方、元家電
メーカーの方、工業デザイナーの方、大学で教鞭をとられている方、一人メーカーとして
商品開発をされている方など様々です。出展物も、ロボットから3Dプリンターで出力
した小物やステーショナリー、スポーツ用品など様々です。

メイカーズバザールの感想については、多くの出展者の方が、自ら作ったモノに対する
一般来場者の方々からの評価を受けることができたことが大変参考になったようです。

1000円以下の価格帯のものは、思ったより出展物が売れたとの感想で、その反応が期待
以上で驚きがあったようです。会場で収集した来場者のアンケートによると、電子回路
技術や作り手のアイデアを見た感動やおもしろさ、また、3Dプリンターの出力物に
初めて触れる機会に驚きを示す方が多く大変高い評価をいただきました。

まだ、一般の方々に広く知られていないデジタルものづくりの製品を、多くの人たちに
知ってもらい、今後のデジタルものづくりの世界に注目を集めるいい機会になったと
思います。メイカーズバザールの展示会の開催が、デジタルものづくりマーケットを
つくり拡大させていく一助になればと思います。

明田 コラム
2015年05月27日

プロジェクト始動!

先日、イメディオのインキュベータ内の複数の入居者の方から、
インキュベータ企業が集まって、それぞれの得意な部分を出し合って何かを作り出す
プロジェクトをやりたいとの要望があり、私も会の発足のお手伝いをしました。

事前に発起人が集まりプレミーティングを開催して、方向性を確認し、その後、
先週、9人が集まり第1回目のミーティングが開催されました。

「サークルの軽いノリながら真剣にやりましょう」ということでしたが、どちらかという
とみなさん真剣です。まずは、お互いの仕事や得意分野を披露することをしました。

さてさて、しばらく長丁場ですが、
どのようなアウトプットができるのか大変楽しみです。

まだ、何も決まっていません。新たなものを生み出すプロセスからスタートです。

発起人の一人の発言の中にイメディオの入居企業の丁度よい入居者間の距離感
をこのプロジェクトに活かしたいとのこと。

インキュベータを運営する私も一緒になって取り組めればと思います。
また、機会があれば、メルマガやフェイスブックなどで報告できればと思います。

明田 コラム
2015年03月25日

アナログ作業


最近、ある学校の先生方やデザイナーの方々と一同にお話しする機会がありました。

かつてデザイン作業は手作業でアナログ的に作業をしていました。しかし、現在は全てが
コンピュータを使ってデザイン作業をする時代になったという話題の議論になりました。

年配である多くの参加者はアナログ的作業を教える重要性とデジタルの万能性により
作品が上手に仕上がったと錯覚し自己評価を高くしてしまう危険性を訴えました。

私自身は大学時代8mm映画を撮影し、フィルムを切って編集し、手作業で作った効果音を
ダビングしました。こういったアナログ的作品作りは、全ての面でプロとの差がありすぎ、
自分の才能のなさを嘆きました。(私は本当に才能がありませんでしたが。)

最近の学生作品を拝見するとプロと変わらない品質で仕上げているものが多数
見受けられます。すごいなー、今の学生のレベルは、と驚嘆することもよくあります。
結局、これはデジタルのなせる技で、全てのものは平準化されるからでしょう。
プロとアマチュアの境目がなくなってしまうんでしょうね。

さて、議論の続きです。

デジタルとアナログの議論を聞いていて面白いことを感じました。

ひとつは、アナログは失敗したら潰す作業があることです。必死で書いた作文や丁寧に
書いた絵を、消しゴムで消したり、破いたりした思い出を持つ方は多いと思います。
この時、とても悔しく悲しい想いが伴います。同時に作り直す新たな作品はこれより
もっといいものをつくるぞっ、てモチベーションを高めます。

しかしデジタルには、この悔しさがないのです。作り直すこと自体が少なく、デリート
ボタンでファイルを簡単に消してしまえます。

思い入れた作品を自分の手で破いたりバツ印を入れたりすることがないのです。
デジタルの創作作業においては、自己否定して潰して再構築することなく、作品を
修正して仕上げていくことです。マイナス点は、作品を自ら否定する作業がないため、
悔しさによるモチベーションアップの機会が少ないこと、全く違ったアイデアで
再構築することがないことです。

二つ目は、議長役を務める先生がお話されたことですが、20年後、アナログ作業を
まったく知らない人たちがアナログ作業の大切さの議論をするだろうか、という
投げかけでした。たぶん、アナログを知らない人がアナログのデザイン作業を
教えれるわけもなくデジタル作業を基礎にデザイン作業を教えるでしょう。
アナログへのこだわりを捨てなければならないのかもしれません。

現代の私達は字を書くとき簡単にペンを使い、字を書きます。最近はいきなりワープロ
ソフトで文章を仕上げていきます。でも、先人たちは墨を磨る作業を大事に思い
精神統一をして文章を思考し筆を取ったと思います。
このことと同様に、未来の人々がアナログ的な作業のこだわりを忘れ去るのは、
仕方がないことであり必要ないことかもしれません。

明田 コラム
2015年01月14日

IoT

あけましておめでとうございます。
皆さまはどのような新年を迎えられましたでしょうか?

さて、年始に米国ラスベガスでは世界最大の家電見本市
「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」が開催されました。
見本市ではあらゆるモノがインターネットにつながる「インターネット・オブ・シングス
(IoT=モノのインターネット)」関連の展示が注目を集めたようです。

このIoTですが、冷蔵庫や洗濯機などの白物家電やめがね、腕時計、指輪、ベルト
などの形をしたウェアラブルコンピューター、また自動車や家などあらゆるモノが
インターネットに接続され情報をやり取りする技術の名称だそうです。

例えば、夕食の料理プランをスマホにつぶやいておけば、自宅の冷蔵庫の中にある食材を
覚えていなくても、インターネットを通じてクラウドに冷蔵庫の食材が在庫管理され、
スーパーマーケットに行くと、ウェアラブルコンピュターのめがねに付いているカメラが
レタスを感知した時、必要な食材であるレタスの購入を教えてくれるといったことに
なるかもしれません。

このIoTが観光案内や徘徊高齢者の保護、自宅のセキュリティなど、社会の中の
あらゆる分野で役立つことが期待されているようです。

話は変わりますが、この「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」に
イメディオの入居企業が製品を展示したそうです。そのショーで展示した製品が
来場者から注目を浴び商談の手ごたえを感じたとのことでした。実際のビジネスに
つながることを期待したいと思います。年始早々景気の良い話題で嬉しくなりました。

皆さま今年もよろしくお願いいたします。

明田 コラム
2014年11月26日

メイカーズフェア

早くも11月も中旬を過ぎて冬を感じる季節ですね。
今日は、京都駅は多くの観光客と思われる人たちで溢れていました。
紅葉を楽しまれたのかな?物悲しくもいい季節ですね。

さて、私は、東京に行ってきました。
MakersFairTokyo2014というイベントを視察してきました。Makersと呼ばれる
個人や小規模ユニットでデジタルを使ったものづくりをする人たちのイベントです。
クリスアンダーソンが著書「MAKERS」を発刊し日本でもムーブメントが起こっています。
今回、MakersFairを視察しメイカーズムーブメントが日本でも盛り上がっていることを
強く感じました。

MakersFairの展示されているモノをカテゴリー分けしていくと、
3Dプリンター関連、レーザーカッター関連、電子基盤関連、LED関連、センサー機器、
ヘリコプター、ヘッドマウントディスプレイ、ロボット、これらを組み合わせたものが
作られて製品(作品?)として展示されていました。

出展者の意図としてはアート作品やガジェットとしてのものが多く見られました。
3Dプリンターでデザインされた「面白い」「素敵」「不思議」などをアートとして
外観を見せて、その裏には電子回路の仕掛けが仕組まれているような感じです。
全体的にいえるものは、テクノロジーとアートが融合した何か不思議で楽しいものを
作ろうとしていることを感じました。

こういったムーブメントに対しIntel、Google、Autodeskといった外資系コンピュータ・
ソフトウェア会社も出展しサポートの姿勢をみせています。
かつて、松下幸之助が「企業は製品を水のように大量に安く提供すべき」と言いましたが、
それが、企業からではなく社会から製品が大量に提供される時代がきたように感じます。
こういったムーブメントから日本を支えるメイカーが出現してくれることを期待します。

メイカーズフェアの様子はイメディオFacebookでも掲載しています。ご覧ください。


イメディオ Facebookページ
https://www.facebook.com/imedioosaka

明田 コラム
2014年09月24日

スティーブ ジョブズ

先日、新しいiPhone6が発売され大変な注目を浴びています。
多くの熱狂的ファンからiPhoneが支持され、すごい人気だなあと感じます。

今年の春、曽我弘さんの講演を聞きました。
曽我さんは、日本のコンピュータ会社を定年退職後、シリコンバレイで会社を設立し
DVDオーサリングシステム開発し90人規模の会社にまで成長させました。そして
その会社を2001年にAppleに売却しました。

その売却交渉のとき、一人でスティーブジョブズが来て、曽我さんと一対一で交渉し、
その場で売却が決まったとの話でした。
たぶん巨額の買収であったと予測されますが、トップによる1対1の交渉で、一夜で、
即決されるシリコンバレイのスピード感に驚かされました。

その後、映画「スティーブ・ジョブズ」を見ました。スティーブジョブズが
自宅ガレージで仲間とコンピュータを作り、様々な衝突を繰り返し、
一度は、創業者でありながらAppleから追い出され、再びAppleにもどりiPodを発表する
半生記をつづった映画です。映画では、ジョブズが個性的で激しい性格のワンマンな
イメージで描かれていました。(この映画のジョブズやその他のメンバーの人物像の
描かれ方に異論もあるようですが。)

曽我さんのお話やこの映画からスティーブジョブズがワンマンで自分のアイデアに
絶対的な自信を持ち納得するものをつくりあげる人だったと思います。
ある日本の自動車会社が新車のデザイン決めるとき、多くの社員からヒアリングし、
その多くの意見を取り入れて、最終的に面白くない当たり障りのない魅力のない
デザインになってしまったそうです。
一人のもつ独創的なアイデアは、消費者の熱望する製品作りにつながる可能性が
あるかもしれません。

3Dプリンターやレーザーカッターにより従来、金型を使わなければできないものが
個人で製作可能となっています。また、Arduinoなどのオープンソースハードウェア、
などにより、従来企業でしかできなかった製品が個人で作れるようになってきています。
クリスアンダーソンは著書「MAKERS」で21世紀の製造業は、アイデアとネットさえ
あれば誰もが自宅で始められるようになる「第3の産業革命」が起きるといっています。
小規模なユニットでものづくりをするMAKERS(メイカーズ)と呼ばれる人たちが生み出す
独創的なアイデアの製品が世界を席巻することを期待したいと思います。

明田 コラム
2014年07月23日

進化する購買行動

先日、空港業務でiBeaconとスマートウォッチを利用し
空港の旅客業務を先進化する実証実験が行われるニュース記事があり
興味深く読みました。

「羽田空港第1旅客ターミナルビルにおいて、各搭乗ゲートに設置された
ビーコン(Beacon)が発する信号を、搭乗ゲート担当のJALスタッフが持つスマート
フォンで受信することで、スタッフの所在・配置状況をコントローラーデスク担当者が
リアルタイムに把握できるようにする。これにより、顧客へのスピーディな対応と、
より効率的なスタッフ配置を目指す。」とのことです。(記事より引用)

ビーコンはBluetooth Low Energy(BLE)という機器間の短距離無線通信技術です。
スマートフォンやスマートウォッチ、スマートグラスなどとビーコン端末が通信し、
場所を特定したり、情報を送受信したりすることができます。
これらの技術が広まり、物販店、飲食店に活用されると消費者の購買行動も
大きく変化しそうです。

例えば街角のポスターに仕組まれたビーコンと通信し自分の持つスマートフォンに
クーポン券やおすすめ商品を受け取ったりできるでしょう。お店に着くとiwatchや
Googleグラスをかけた店員さんが予約した商品を案内してくれたりするかもしれません。

清算のときレジに行ってスマートフォンを機械にかざすだけで清算が終了し、
購入ポイントをスマートフォンに貯めることができるでしょう。さらに、
レジを通らずそのまま持って店舗内から持って出るだけで清算が終了することも
考えられています。

今まで、スマートフォンでインターネットを介してどこでも同じ情報が取得できたのが、
特定の場所に行かないと取得できなかったり、交通系カードのように機械に極めて
近接した距離で通信して支払をしたりすることができます。再び実店舗へ人を
呼び寄せるツールになるかもしれないと思います。
いままでのカードで膨れ上がった財布ともお別れですね。

(記事)iBeaconとスマートウォッチで空港旅客業務を先進化、JALとNRIが実証実験
http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/20140714_657751.html

明田 コラム
2014年05月28日

新たなデジタルコンテンツの流れ

視聴者のテレビ離れが語られて久しいですね。私も、一日のうちスマートフォンと
FMラジオといったメディアしか接していない日があります。なぜでしょうか。
ふたつとも視聴する場所の制限がゆるいからでしょうか?

東京駅のプロジェクションマッピングや川崎の「進撃の巨人」プロジェクション
マッピングなど有名なプロジェクションマッピングのプロデュースで注目されている
ネイキッドの村松亮太郎さんとイメディオセミナーの件で打合せする機会がありました。
彼曰く「プロジェクションマッピングは今までの四角いスクリーンの制限をはずされ
自由を得たように感じる。」といったことを話されました。

過去に松村さんのネイキッドは映画やテレビドラマなど多数の作品を制作されてきました。
プロジェクションマッピングの制作では、単なる絵作りだけでなく、
この映画ドラマ作りで学んだストーリーテリングが役立っているとも話されていました。

建築物や空間をスクリーンとしたプロジェクションマッピングや頭部にかぶる
ヘッドマウントディスプレイが一般に普及してきています。これらのスクリーンや
ディスプレイに投影する映像作り方として、人やモノの動きを捉えたセンサーの信号から
プログラムがカメラ、マシン、プロジェクターをコントロールし、
新たに映像を生成する手法が試みられています。

場所、時間、既存のシステムなどの制約から一歩外れたところで新たなコンテンツを
制作するクリエイターの出現を感じます。

明田 コラム
2014年04月09日

サクラ

こんにちは。
桜の花は満開のピークを過ぎようとしています。皆さん、桜を満喫されましたか?

サクラの花は私たちの心に特別な感動を届けてくれます。なぜでしょうか?
その繊細な花弁。ピンクとはいえぬ淡い色。ひとつ花だけでは感じさせないが、
時期を合わせて大量の花が咲き全体で見事な造形をかたどる。そして、短命な満開の花。

先日、3Dプリンターでバラの花を出力することにトライアルした
クリエイターがいました。

彼は、家電製品のデザインに係わってきたので
工業製品のデザインについては良く精通していました。
そんな彼ですから、デジタル技術で自然物を表現することが
いかに難しいかということも、良く知っていました。
しかし、その難しさにあえて挑戦しバラの花を3Dプリンターで出力し
どこまで本物の花に近い物ができるか試みました。

何度も試行錯誤し花びらを出力して得たノウハウを成果報告会で発表してくれました。
結果としては現在の3Dプリンターの性能の制限などもあり
完全なものは出力できませんでした。しかしながら、こうした試行錯誤があり、
いずれ人に感動を与えるものが生み出されていくのだと思います。

日本のものづくりが世界で評価されるのは、隅々まで行き届いた繊細な感覚が
ものづくりに活かされているからでしょう。

今や世界的な大企業となったあるメーカーの創業社長が
かつて社員に対して「手の切れるような」試作品を求めたといいます。
あまりに完成度が高く繊細で触るのも怖いようなものの事だと思います。
こういったモノづくりの感覚はサクラの花が教えてくれる繊細さに通じるものを
感じます。いつか、3Dプリンターから感動を与えるサクラの花が出力される日が
来るかもしれません。

(参考)3Dプリンター制作トライアル成果報告会 開催報告
https://teqs.jp/seminar/report_20140307.php

明田 コラム
2014年03月12日

太いしっぽ

ロングテールという言葉があります。日本語に訳すと「長いしっぽ」。
商品の売上高をグラフ化し、売上上位のものから左から順番に並べていきます。
左側の売上の高いほうから右側の売上の低いものへとなだらかにグラフが長く並びます。
このグラフの形からロングテールと呼ばれます。
(参考)ロングテール Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%AB

これまで、「2:8の法則」といわれ2割の売上上位の商品が、
売上の8割を稼ぐということが言われています。
私も、昔、メーカーに勤務していたとき、多品種小ロットの販売アイテムの中で、
売れ筋の2割の販売に注力し、なるべく売れない8割の商品については
在庫を持たないようにするのが、全体の利益を上げていく手法であることを学びました。

特に、音楽、ゲーム、映画などのコンテンツは売れるものと売れないものの差が
はっきりしていて、一握りのキラーコンテンツが全体の売上を支えていることがあります。
ところが、ネットのメガショップであるアマゾンなどでは、品揃えを増やし、
ネット検索によって、売上高の少ない商品の品揃えをして販売に備えることで、
ロングテールのほうの売上比率が高まり「太いしっぽ」になっているそうです。

これは、「売上額が少ないものは在庫を持ちたくない」。しかし、
「品揃えを豊富にするとロングテールといわれる部分の売上を維持できる。」
「しかも、ロングテールといわれる部分は、定番で売上が安定している。」
ということのようです。

良く考えてみるとロングテールの部分がデジタルデータなら
在庫の費用は少なくてすみますね。大量のロングテールのデジタルデータから
音楽、映像、書籍をダウンロードすることができます。
そして、将来は3Dデータをダウンロードし、3Dプリンターで出力した商品を
手に入れるということも考えられます。

在庫費用の負担の低いデジタルデータによる在庫が、ロングテールの
収益化をあと押ししそうですね。コンテンツやデジタル関連ビジネスが
ロングテールビジネスにより拡大することを期待したいと思います。
 

明田 コラム
2014年01月08日

ベンチャー創出の年

新年明けましておめでとうございます。
皆さま、どのようなお正月を過ごされましたか?
私は長い休暇前に色々とやりたいことを計画していました。普段見てない映画を見る。
本を読む。整理をする。水泳とランニングをする。友人と会う、といった計画を立てて
いました。しかし、できたのは半分くらいかな?
映画はまともに一本も見ていないですね。自宅でDVDを見はじめたんですが、
酔って途中で寝てしまいました。(笑)

さて、昨年は、東京オリンピックの開催が決まり、円安で株価も上がり、
今後の経済環境も好転が期待され、久しぶりに社会に明るいムードが
漂っているように感じます。

お正月に、ある経済雑誌に目を通しました。その中で日本の創業者の過去の
インタビューが再掲されているものがあり、いくつか読みました。50年代~90年
ごろにインタビューされた本田宗一郎、松下幸之助、盛田昭夫、安藤百福、稲盛和夫、
孫正義・・・といった創業者たちのインタビュー記事です。多くは戦後の間のないころ
創業し、また事業再建し、日本経済を支える企業に成長させた経営者です。失うものが
なくなってしまった時代だからこそ新たな起業という挑戦ができたのでしょうか。
これらの経営者の幾人かが90年前後インタビューで日本はものづくりを大事に
しなければならないと訴えています。当時、ものづくりからサービス業への流れが
あったからでしょう。
話がそれましたが、今年は国も本格的に新事業創出・ベンチャー支援策を打ち出し
日本の現在の開業率5%を欧米並みの10%に引き上げる計画を打ち出しています。先の
日本を代表する経営者が新たな価値や市場を生み出し世界に進出したように、社会に
新たな活力をもたらし、新たな市場や価値を創造するグローバル規模のベンチャーが
出現することを期待されます。起業者のリスクを低減し支えていく環境を作れば、
ビジネスに夢を持って創造する起業家がどんどん生まれてくると期待したいと思います。

そして、私たち起業家支援をする立場にいるインキュベーションマネージャーの役割も
重要だと改めて気が引き締まる思いです。私達自身もリスクを背負って挑戦する姿勢で
向かって生きたいと思います。
そんな中、私も新年に自身の生き方、生活、仕事、スキルアップなど誓いを立てました。
新年の誓いの中のひとつに「規則正しい生活をする」というのを入れたのですが、
このコラムも深夜2時すぎに書いています。早速、新年の誓いを破ってしまった。
何はともあれ、心新たに爽やかに楽しく新たな一年をはじめたいと思っています。
今年もよろしくお願い申し上げます。

 

明田 コラム
2013年11月13日

Makers(メイカーズ)

Makers(メイカーズ)が話題となっています。クリスアンダーソン著「MAKERS-
21世紀の産業革命が始まる」の本が火種だと思います。

メイカーズとは小規模でメイカーとなる人々や企業を指すようです。
たとえば、今まで、自動車や時計を作るのは大規模な工場を持った
先進国のメイカーだけが作ることができました。

今後は、100台だけ限定の特殊な電気自動車や、1000台だけ限定で独特の機能や
デザインをもった時計が、小規模メイカーによって作られる可能性があると
期待されています。小ロットで高付加価値な製品がメイカーズから作り出されるのです。
このメイカーも色々な形態が考えられます。

完成品を作る販売メイカー。製品企画と試作だけ行い製品の製造販売は別の者が
行うような形態。メイカーは製品企画と3Dデータなどだけを供給しユーザーが製造し
組み立てるなどが考えられます。

これら、メイカーを支えるのは3つのポイントがあるのではないかと思います。

ひとつは、3Dの設計ツールの充実と生産装置の共有です。
製造装置である3Dプリンターをはじめとした小規模で低価格な製造機器開発や
FabLabのなどの製造装置の共同利用施設がメイカーズに必要だと思います。
また、3DCADなど手軽に製品を設計できるツールも重要です。

ちなみに、イメディオでは最近フリーの3Dソフト「オートデスク123D」の
ハンズオンセミナーを2回開催しましたが、いずれの回も大人気で満員の受講者でした。

二つめは、プロジェクト単位でできる手軽な資金調達手段。これにはクラウド
ファンディングが注目されています。
クラウドファンディングは、ある志を持った企画に対してネットを通じて一定単位の
資金を多数の支援者から調達するものです。

最近は日本人ゲーム製作者が億を超える資金をアメリカのクラウドファンディング
「キックスターター」を通じて1億7千万円の資金調達に成功したことが
話題となっています。

クラウドファンディングには、いくつかの形態があるようです。単にお金を出資して
もらう寄付型と収益を分配する配当型と出資者に製品を提供する販売型があります。

設定された目標金額に達しないとそのプロジェクトはスタートしません。
出資者も出資金が引き落とされません。この販売型クラウドファンディングを
活用すれば自らの企画がどれだけの人に受け入れられるのか製造前に調査でき
資金調達とともにマーケティングが可能になります。

ちなみに日本でのクラウドファンディングの資金調達規模は5億円程度ですが、
アメリカでは2000億円を超える規模に達しています。

3つめは、専門的なパーツ、とくにセンサーなどを調達できるパーツ調達サイトが
必要でないでしょうか。あらゆるパーツが世界中から調達できる、たとえば、
スマートフォンの電子回路が即座に調達できるといったものです。

これら三つの要素が整えば、21世紀の産業革命がおこるのではないでしょうか?
なお、クリスアンダーソン著「MAKERS-21世紀の産業革命が始まる」に興味がある方は、
イメディオのライブラリーで閲覧できますよ。ぜひ、ご利用ください。

明田 コラム
2013年09月11日

デジタル技術の進化によるアナログ感覚の再現

1980年頃、大学の構内で軽音楽部のコンサートがあり聴きにいった。
出演者の一組に電子音楽に取り組む奇妙なグループがいた。
彼らはミュージシャンと言うより技術屋で、その演奏する音楽?は奇妙な電子音を
鳴らし続けるものであった。
よく言えばサイケデリックで芸術的。悪く言えば独りよがりで聞くに耐え難い
雑音の連続だったことを覚えている。

その後、デジタル技術は音楽の世界で進化し、その音色は格段に良くなり、
アコースティックな音もデジタル技術により奏でられるようになった。
今や多くの心地よい音楽がデジタル技術で作られている。

コンピュータグラフィックス(CG)の世界も同様で、当初はコンピュータが描いた
画像が映像の中でCGとして表現されたが、今や、自然な風景や生物もCGとは思えない
形で表現されている。
ここにひとつの仮説が浮かんだ。
デジタル技術の進化は、人間的なアナログ感覚の表現を可能にしていくのではないだろうか。

人のコミュニケーションも、かつてe-mail中心の一方的な伝達からSNSを介した
コミュニケーションへ変化している。PCからスマートフォンへのデバイスの移行。

デジタル技術の進化により電子デバイスを介したコミュニケーションも
実際に人と会って話したり触れ合ったりするものに近づいていくのかもしれない。

実際にブレインマシンインターフェース(BMI)といった、
脳で考えただけで操作ができるインターフェースの研究もされている。

いずれ、コンピュータの存在を忘れさせるコミュニケーションの実現や
仕事環境が実現される時代になるのかもしれない。

よく、新しいものは異端なものから生まれると言われるが、雑音に近い電子音楽を
奏でた技術屋さんも新しいものの創造者だったのだろうか。
今思えば何とも楽しいひと時だった。

明田 コラム
2013年07月10日

ITによる社会生活の変革

先日、IT、デジタルメディアの先端技術の展示会に視察に行ってきました。
技術自体は10年前に存在したものから大きく進化したと感じられるものは少なかった
のですが、多くのものが小型化されユーザビリティを高め扱いやすくなり実用的に
なってきていて、価格も大きく下がっていました。

3Dプリンターなども10年前から造形装置として存在していましたが、
精度を高め価格を下げて実用化され大きな注目を浴びていました。

ITの世界ではスマートフォンのように一般化されたときに社会生活に大きな変革を
もたらします。

今後、3Dプリンターのようなものが社会に広まった時、一部の商品は工場で作るもの
でなくなり、デザイナーが設計したデータをウェブ上で購入してダウンロードし自宅で
出力し自宅で組み立てるといったことになることが当り前になるかもしれません。

GoogleGlassのようなメガネに組み込まれたディスプレイとカメラ、スピーカーをもち
GPSの機能やワイヤレスネットワークの機能を持ったものが一般化されると社会に
どのような変革をもたらすのか、想定を上回ることがあるかもしれません。

イメディオで平成25年7月26日(金)開催されるITトレンドセミナーで
「ウェアラブルコンピューターを語る」をテーマにウェアラブルコンピューティング
に関するセミナーがあります。ご興味ある方はご参加ください。
http://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=15597

明田 コラム
2013年05月22日

最近、慌しく仕事に追…

最近、慌しく仕事に追われています。

こんな時、自らを管理するのが、スケジュール帳とタスクリスト。
皆さんは、どんな風に管理されているでしょうか?

カレンダーに予定を書き込む。
エクセルシートで作ったタスクリストにやらなければならない仕事の一覧を書きとめる。
終わったら消す。
さまざまな方法があると思います。

私は、以前、システム手帳(もはや使う人も少なくなった?)に月間の予定とデイリーの予定を書き込み、その上グループウェアにも書き込むという3種類ものスケジュールを書き写す作業をしていました。

どこにいてもすぐにスケジュール管理をしたい。
プライベートも仕事も一目でわかるスケジュールを知りたい。
一緒に仕事をするスタッフと予定を共有したい。
一日の予定と実際に終えた仕事の記録を残したい。

これらを考えると、3種類ものスケジュールを同期させるため、書き写さなければならなくなりました。そのため、間違って予定が重なる失敗や予定を書き忘れる失敗もしばしば。

最近は、グループウェアがスマートフォンでも使えるようになり、3つも書き写さずとも、スマートフォンからグループウェアにアクセスすれば、データーを一元管理できるのでずいぶん便利になりました。

すべてが、思うようにできるわけではないですが、かなり便利です。
この、メルマガコラムを書く期日を教えてくれるのもグループウェアでした。

皆さんは、どんな風に仕事を管理されていますか?

明田 コラム
2013年04月10日

こんにちは。先日の嵐…

こんにちは。
先日の嵐でちょっと桜の花が散って少し残念。でも、少し山まで足を伸ばせば、まだまだ満開の桜を見ることができるところもありそうです。

さて、4月に入って新年度を迎えている方々も多いことと思います。
私たちイメディオスタッフ一同も新年度を迎え、気を引き締め1年間の事業運営に邁進していく決意を新たにしています。

今年はインキュベーションセンターとして原点回帰し、インキュベーション企業の方々と向かい合うことを重点課題として取り組みます。
ビジネスインキュベーション(BI)施設は創業間もない企業に低賃料のオフィスを提供し、起業家が不足する経験知識、ノウハウ、経営資源などを補い、自立し自走してもらう支援を行います。私たちインキュベーションマネージャー(以下IM)は起業家と伴走し起業家が抱える課題の解決に向け、ともに語り、考え、汗をかいて、成長の一助となる役目を担います。
また、多くの起業家の方々の出会いの場として、仲間作りの場としてインキュベーション施設が活用されることを期待します。
今後このコラムを通じてインキュベーションに関する様々な出来事や情報も提供していければと思います。今後ともよろしくお願いします。

明田 コラム
2013年03月13日

ようやく暖かくなった…

ようやく暖かくなったとコートを着ないで出かけたら寒い思いをしました。
最近、インキュベーションオフィスを卒業されたOB企業さんを訪問するため出かけることの多い日々です。

インキュベーションオフィスの提供を開始してから14年間になりますが、86社の企業が卒業されました。
私たちが調査したところ、60社の方々の所在は判明し、うち35社が大阪市内で事業を継続されています。
訪問してみると各企業の状況は大きく事業を発展されているところ、事業内容が大きく変化されているところ、経営者が考え方を大きく転換されたところなど色々です。

昨日は、7年前に28歳の若さでインターネットを使った貿易業務を創業されインキュベーションオフィスに入居されていた企業に訪問しました。
現在は社員数が8名の規模となり年商も飛躍的に成長されています。
事業拡大の切っ掛けは主に乗馬用品を取り扱われたことのようです。
20万円を握り締めて中国にわたり商品を買付け試してみたところ手ごたえがあり本格的に開始し、今はヨーロッパの製品を主に取り扱われているようです。
社長は、商品を販売する中で顧客のニーズをしっかりと把握し、次の商品開発の戦略を練って自社ブランド展開に意気込んでいるようです。
会社も大きくなり、社長としても成長され輝いた印象をうけました。
さて、イメディオのインキュベーションオフィスの賃料が大幅に安くなりました。
(参考)インキュベーション利用料金

https://teqs.jp/incubation/cost/index.html
ご興味ある方は、ご連絡の上、見学にお越しください。

明田 コラム
2013年01月09日

明けましておめでとう…

明けましておめでとうございます。

おせち料理にも飽き、昨日は一人でハンバーガーショップに足を向けました。
私がハンバーガーに出会ったのは、1960年代中ごろ、テレビでアニメ「ポパイ」に出てくる中年男性がパクパクとハンバーガーを食べている姿を見たときでした。
当時はまだ日本に世界的なハンバーガーショップが上陸しておらず、どのような味がするものか 分かりませんでした。
幼稚園児の私はとにかくアニメに出てくる美味そうに食べられる未知の食べ物に強い憧れを持っていました。
1970年代に入りハンバーガーチェーンが日本に上陸し、ようやくその味がどのようなものか知ることになり、アメリカ人の豊かな生活にちょっとだけ触れ、満たされた気持ちになったことを覚えています。

その頃、私の父はよく私に経済のことを教えてくれました。
父の持論は、経済はモノで動くのでなく人の心で動く、というのが持論でした。
今、海外で日本のアニメの人気は継続し、寿司は随分前から世界で人気の食べ物です。
世界の中でかつての私のように日本に憧れを持ってくれる少年がいることでしょう。
日本のモノに憧れてくれる心を持ち続けてもらいたいと思います。

明田 コラム
2012年11月28日

イメディオではインキュ…

イメディオではインキュベーションオフィスに入居されている社長さんと定期的に面談をしています。
先日、入居企業のある社長さんと面談が終了したあと雑談となり日本の経済環境に話題が及びました。

日本経済の低迷が語られるようになり20年になります。周辺諸国にお株を奪われ産業が空洞化しているかのような印象を深めています。
研究畑を歩んできた入居企業の社長さん曰く、日本の強みはメーカー企業の研究所で多くの優れた先端基盤技術が保有されていることだそうです。
これらの先端基盤技術は外部に流出されることがなく資産として保有されており日本企業が競争力を維持できる理由だと話されました。
日本は絶対に諸外国に負けないと言い切られました。
日本経済の低迷が20年続いても多くヨーロッパのような経済危機に面することがないのが何よりの証拠であると。

うーん。私はこの言葉を聞いた時、何か心の中から湧き上がるものを感じました。
20年間長期間にわたり日本のものづくり技術から生まれた製品が未だ世界に求められているのは逆転の
発想から言えば基盤技術を大切に保持しているからでしょう。
わたしは日本の経済停滞のよどみを感じていましたが、社長の言葉に明るい清らかな気分になり、
改めて日本の強みに目を向けさせられました。
主要国の特許の収支を見ても欧米諸国や日本は黒字で、韓国、中国、台湾は赤字です。
これは、日本が特許技術による収益を諸外国から得ていることを表しているようです。
韓国のサムソン電子の会長が中身(部品)で日本に勝つにはまだ暫く時間がかかると語ったそうです。
サムソンには経営スピードと海外戦略で後塵を拝したものの日本の先端基盤技術はまだまだ周辺諸国より進んでいるようです。
これは、戦後日本が科学分野の教育に力をいれ、多くの優秀な研究者、技術者を生み出しその人たちが
創出してきた多くの基盤技術が経済を支える一助になっているのでしょう。

明田 コラム
2010年08月11日

オフィスの進化

猛暑の熱い日差しにあたると大学時代に百貨店のお中元の配達のアルバイトをしていた頃を思い出す。

私の担当配達区域は堂島から新地、桜橋あたりで、この区域の企業へお中元を配達をしていた。
ある大手家電メーカーの販売会社は、天井から「販売部」と書かれた札がぶら下げられ、机の上は書類や伝票が積み上げられ、雑然としていた。机には電話がズラリと並び対応する営業マンの活気ある喧騒がその景気のよさを物語っていた。家電販売会社ながら蒸し暑いオフィスだった。30年前のことである。

先日、某携帯電話メーカーの販売会社に訪問することがあった。
インテリジェントビルに入居するその会社のオフィスは大きな空間に六角形のテーブルがずらりと並んでいた。一見すると大学の食堂のような雰囲気である。
ノートパソコンを広げた人たちがそのテーブルを無言で囲んでいた。応対してくださった部長さんにオフィスの運用を伺うと、個人の決まった机はなく書類は一切ないと言う。役職者も一般社員も同じテーブルに自由に座り業務を行うようだ。業務連絡もすべてメールやグループウェアで行われているようで、必要な書類はすべてサーバーに保管されている。口頭での打合せが必要なときだけ打合せコーナーに移動する。顧客へのプレゼンテーションなど必要なときだけ書類をプリントアウトし持参する。徹底したペーパーレス、デスクレスだ。
ここまで徹底するのには時間がかかったとのこと。

私もここまで進化を遂げたオフィスを見たことはなく、感心するとともに何か一種の怖さを感じてしまった。
クラウドコンピューティングといわれる使用形態は、インターネットを通してワープロソフトや表計算ソフトを操作し、その作成書類はインターネットを介して保存される。スマートフォンなど携帯端末を使いこなせばどこでもオフィス環境を実現することができてしまうそうだ。

次の時代は、オフィスレスの時代だろうか?

明田 コラム
2010年04月14日

ケータイコミュニティ

昨年、ケータイサイトのモバゲータウン(以下モバゲー)のアクセスが急上昇しYahooJapanのアクセスを上回ったと聞き驚かされました。主にPCからネットにアクセスする30歳以上のユーザーからすれば、ケータイのポータルサイトであるモバゲーやグリーなど、なじみが薄く、それほどのアクセスを稼いでいることが身近に感じられないかもしれません。私もその一人で、まさかケータイゲームサイトがこれほどのアクセスを稼いでいるとは思いませんでした。

30歳以下の主にケータイからネットにアクセスするユーザー層の人たちには、モバゲー、グリーと言ったサイトを利用しているようです。すでに両者とも1,600万人以上の会員数を誇っているようです。

これまで私はこれらのサイトがゲーム専門サイトであると認識していましたが、間違いでした。これらのサイトはゲームを含むコミュニティサイトであるようです。私と同様にご存じない方のために説明すると、ゲーム以外にニュース、ショッピング、日記、占い、有名人ブログ、イラスト、レシピなどの情報や日記、プロフ、掲示板などネットワークコミュニティで構成されています。

ゲームは従来のゲームから進化しています。モバゲーで最近TVで宣伝され大ヒットしている「怪盗ロワイヤル」は「仲間」と協力してお宝を盗むゲームです。このようなゲームはソーシャルゲームと呼ばれ注目を集めているようです。

興味深いのは、ある調査によるとこれらのサイトの利用シーンが電車の中など「暇」で「一人」の時間が中心と思われがちですが、実は、家庭の中でテレビを見ているような時によく利用されているそうです。つまり、テレビを見ながらケータイを触っているという利用シーンが見えてきます。当然テレビはじっくり見ないで、携帯とテレビを交互に見ているといったことのようです。

家族がそばにいる「暇」の時間を「一人」でケータイを操作しながらネット上の「仲間」と情報や行為を共有しているのです。キーワードは「ソーシャル(直訳:社会の)」のようです。ソーシャルゲーム、ソーシャルウェア、ソーシャルアプリと呼ばれるこれらのサービスやコンテンツは「仲間」と遊び、楽しみ、コミュニケーションする世界をつくりうけている訳です。

なお、日本の一部ソーシャルアプリ開発企業は6億人のケータイユーザーを抱える中国進出する企業もあり、この「ソーシャル」は世界に広がりつつあるようです。

是非は別として10代、20代の若者のライフスタイルがケータイメディアにより大きく変わりつつあることを強く認識させられました。

このコラムを書いているうちに、夕食後、家族と「プロレス」や「プロ野球」をワイワイと見ていた頃が懐かしく思えました。

明田 コラム
2010年02月10日

海外ドラマ

こんにちは。イメディオインキュベーションマネージャーの明田です。
今回から不定期にコラムを担当させていただきます。

「24」「プリズンブレイク」等アメリカの海外テレビドラマブームにはまっておられる方も多いと思います。
私のお気に入りは「LOST」と「ディスパレートな妻たち」。
これらのシリーズは、NHKやケーブルテレビで放映され、レンタルビデオ店でもDVDが大きな棚にズラリと占領する人気作品です。

「LOST」は、モンスター、幽霊、タイムマシン、死人がよみがえるなど何でもありストーリーで、次から次へとミステリアスな事件が物語を盛り上げます。
一方「ディスパレートな妻たち」もアメリカの中産階級の住宅地域を舞台に次々と起こる事件がコミカルな味付けで展開していきます。
このふたつドラマに共通することは、多くの出演者と複雑に入り組んだストーリーが展開し、次にどうなるのという謎と疑問が視聴者をハラハラドキドキさせながら引っ張っていきます。
60年代のアメリカドラマの名作「逃亡者」と同様の手法だなー、と思っていたのですが、最近単に視聴率を上げるだけの難解なストーリー展開でないような気がしてきました。

インターネットでこれらのドラマの題名を検索すると多くのサイトでこの先どんな風に話が展開していくのか盛り上がっています。
難解なストーリー展開はすべてを見終わっても疑問を残し、そしてテレビを見ただけでは理解できなかった視聴者はDVDレンタルに走り、もっと見たい視聴者はDVDを購入してしまうというスパイラルに巻き込んでいこうとしているのではないでしょうか?

あらかじめネットの存在を意識し、二次的なDVD販売を見据えたドラマ作りだと思えてきました。そうだとしたら話題性を高め長期にわたり収入を得ようとするビジネス戦略はすごいと感心します。
 
そういえば、アメリカでは昼の帯ドラマのことをソープ・オペラ[SoapOpera]と言うそうです。
私は、ソープ・オペラの名前の由来は昼ドラがすぐに忘れ去られる泡の存在に似ているからか、と思っていました。調べてみたら、主婦向けに洗剤を販売したい石鹸会社が主婦向けのドラマに番組提供をしたことに由来するらしいですね。戦略があるんだ、なるほど。