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スタッフコラム

明田 コラム
2010年08月11日

オフィスの進化

猛暑の熱い日差しにあたると大学時代に百貨店のお中元の配達のアルバイトをしていた頃を思い出す。

私の担当配達区域は堂島から新地、桜橋あたりで、この区域の企業へお中元を配達をしていた。
ある大手家電メーカーの販売会社は、天井から「販売部」と書かれた札がぶら下げられ、机の上は書類や伝票が積み上げられ、雑然としていた。机には電話がズラリと並び対応する営業マンの活気ある喧騒がその景気のよさを物語っていた。家電販売会社ながら蒸し暑いオフィスだった。30年前のことである。

先日、某携帯電話メーカーの販売会社に訪問することがあった。
インテリジェントビルに入居するその会社のオフィスは大きな空間に六角形のテーブルがずらりと並んでいた。一見すると大学の食堂のような雰囲気である。
ノートパソコンを広げた人たちがそのテーブルを無言で囲んでいた。応対してくださった部長さんにオフィスの運用を伺うと、個人の決まった机はなく書類は一切ないと言う。役職者も一般社員も同じテーブルに自由に座り業務を行うようだ。業務連絡もすべてメールやグループウェアで行われているようで、必要な書類はすべてサーバーに保管されている。口頭での打合せが必要なときだけ打合せコーナーに移動する。顧客へのプレゼンテーションなど必要なときだけ書類をプリントアウトし持参する。徹底したペーパーレス、デスクレスだ。
ここまで徹底するのには時間がかかったとのこと。

私もここまで進化を遂げたオフィスを見たことはなく、感心するとともに何か一種の怖さを感じてしまった。
クラウドコンピューティングといわれる使用形態は、インターネットを通してワープロソフトや表計算ソフトを操作し、その作成書類はインターネットを介して保存される。スマートフォンなど携帯端末を使いこなせばどこでもオフィス環境を実現することができてしまうそうだ。

次の時代は、オフィスレスの時代だろうか?