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スタッフコラム

明田 コラム
2013年09月11日

デジタル技術の進化によるアナログ感覚の再現

1980年頃、大学の構内で軽音楽部のコンサートがあり聴きにいった。
出演者の一組に電子音楽に取り組む奇妙なグループがいた。
彼らはミュージシャンと言うより技術屋で、その演奏する音楽?は奇妙な電子音を
鳴らし続けるものであった。
よく言えばサイケデリックで芸術的。悪く言えば独りよがりで聞くに耐え難い
雑音の連続だったことを覚えている。

その後、デジタル技術は音楽の世界で進化し、その音色は格段に良くなり、
アコースティックな音もデジタル技術により奏でられるようになった。
今や多くの心地よい音楽がデジタル技術で作られている。

コンピュータグラフィックス(CG)の世界も同様で、当初はコンピュータが描いた
画像が映像の中でCGとして表現されたが、今や、自然な風景や生物もCGとは思えない
形で表現されている。
ここにひとつの仮説が浮かんだ。
デジタル技術の進化は、人間的なアナログ感覚の表現を可能にしていくのではないだろうか。

人のコミュニケーションも、かつてe-mail中心の一方的な伝達からSNSを介した
コミュニケーションへ変化している。PCからスマートフォンへのデバイスの移行。

デジタル技術の進化により電子デバイスを介したコミュニケーションも
実際に人と会って話したり触れ合ったりするものに近づいていくのかもしれない。

実際にブレインマシンインターフェース(BMI)といった、
脳で考えただけで操作ができるインターフェースの研究もされている。

いずれ、コンピュータの存在を忘れさせるコミュニケーションの実現や
仕事環境が実現される時代になるのかもしれない。

よく、新しいものは異端なものから生まれると言われるが、雑音に近い電子音楽を
奏でた技術屋さんも新しいものの創造者だったのだろうか。
今思えば何とも楽しいひと時だった。