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スタッフコラム

山室 コラム
2016年02月10日

脳ってダマせるの?

先日、大阪市が主催する「人権啓発研修会」に参加してきました。
講師はイギリス・リバプール出身で、落語家の「ダイアン吉日(きちじつ)」氏。
出囃子で始まる研修会なんて初めての経験でした。その出囃子、どっかで聞いたこと
あるなぁ・・・って思ったら、そこはリバプール出身のダイアンさん。
あのビートルズの「イエローサブマリン」のメロディーでした。

ダイアンさんは1996年に来日し、英語落語の先駆者、桂 枝雀さんに弟子入りし、師匠亡き後
「わかりやすい英語落語」で日本国内はもとより、これまでに50ヶ国以上を講演旅行
したとのこと。そして、日本と海外の文化の懸け橋となる国際的な活動が高く評価され、
2013年6月、公益財団法人世界平和研究所 第9回中曽根康弘賞 奨励賞を受賞されました。

来日直後は、イギリスでは考えられない「女性に年齢・体重を聞く」など、
文化の違いに驚いたとの事です。その後、持ち前の人懐っこさで日本文化にとけ込み、
華道・茶道・きもの着付け、陶芸などの技術を身につけられました。そして「英語落語」
を携えて日本文化の伝道師としての海外を飛び回られています。そんな中での経験や、
東日本震災後のボランティア活動などの話を通して、国籍・性別・年齢、など分け隔て
しないことが如何に重要なことであるかを訴えられ、その真意がスーッと心に入り込む
内容でした。

半ばで「時うどん」をアレンジした10分程度の英語落語「タコヤキ・タイム」を披露。
平易な英語の中に大阪弁がチラホラ混ざって、会場内は笑いがあふれました。
笑いといえば、ダイアンさんはインドで生まれた「ラーフィング・ヨガ」の
インストラクターでもあるそうで、最後に、その奥義?を指導してくださいました。
笑うことは大切で、人間は笑うことで活力を得ることができる。何も楽しいことがなく
ても、笑うことにより脳が騙されて、楽しい経験をしていると判断するようになる。
ダイアンさんの号令で受講者全員が笑いの練習を実践しました。最初はギクシャクした
状況でしたが、だんだん受講者全員が一つになって、本当に大笑いする妙な体験をしました。
人は歳を重ねるにつれて、笑う機会が少なります。「ラーフィング・ヨガ」を習得すると
笑いたい時に心底から笑えるようになる。一人でも始められるそうですが、あの会場
いっぱい波打ったような笑いの渦が忘れられません。