Menu

Seminar / Report

TOP > マガジン > セミナー・レポート > AIDORデモデイ2019【Part1】
2019年03月31日聴講セミナー

AIDORデモデイ2019【Part1】

平成31年3月6日(水)に開催された『【AIDORデモデイ】目撃せよ!IoTビジネス最前線!』において、平成30年度AIDORアクセラレーション受講生によるピッチコンテスト(デモデイ)が実施されました。各分野の有識者の方々が審査員を務め、IoTビジネスに興味、感心をお持ちの聴衆が見守る中、総勢18チームの受講生が、それぞれの想いを込めた熱いプレゼンを行いました。

●審査員
赤澤 夏郎 氏(PLENRobotics株式会社 代表取締役社長)
古林 大輔 氏(ハックベンチャーズ株式会社 パートナー)
瀬川 寿幸 氏(一般社団法人i-RooBO Network Forum 理事)
増木 大己 氏(MAMORIO株式会社 代表取締役)
吉川 正晃 氏(株式会社Human Hub Japan 代表)

■13時45分~
AIDORアクセラレーションプログラムの概要説明、審査員、AIDORアクセラレーション事業パートナー紹介の後、平成30年度AIDORアクセラレーション受講生の中から10チームが5分間ピッチを行い、8チームが1分間ピッチに挑みました。

========================================

①Bike Link

チーム名:高橋・Molina・高橋
登壇者:高橋新吾氏

『Bike Link』は、スマートロックとスマホアプリを利用することで、自転車所有者であれば、誰でも・どこでも自転車のシェアリングサービスを始められるものです。利用方法は至ってシンプルで、貸す側は自転車を用意し、貸出場所をアプリで設定して、スマートロックを取り付けます。借りる側は自転車を見つけて、アプリでQRコードをスキャンすれば利用開始です。高橋氏は既存の自転車シェアの課題を「貸出場所が少ない」「駅前などに限られている」と捉え、その原因はコストがすべて実施企業の負担にあることだと定義。その点、『Bike Link』ではそれらのコストを貸主負担とすることで、貸出場所を増加し、多様なニーズに応えることができると発表されました。すでに民泊ホストやホテル・旅館などからのニーズを調査済で、今後は新たなマーケットデザインを目指して活動を進めていく予定です。審査員からは「ニッチ分野を付いた興味深いアイデア」という評価があり、スマートロックの必要性やプロジェクトチームとしての役割についての質疑が行われました。

②3chネックウェアラブル開発+ARサービス

チーム名:自在設計合同会社
登壇者:八田敦司氏

チーム「自在設計合同会社」の八田敦司氏が提案するのが、『3chネックウェアラブルを利用したARサービス』です。元電機メーカーのエンジニアである八田氏は独立起業し、耳を塞がず3ch構成で頭を包み込むように立体音響が楽しめるネックウェアラブル(首掛けスピーカー)を開発。製品はすでに特許取得し、意匠・商標登録も済ませています。そして同製品を見た大学教授のアドバイスにより、方向や距離をリアルに感じられる3ch技術を利用した「音響ARビジネス」の可能性に気づき、単なるオーディオデバイスを超えたAR・VR製品としての展開を見据えています。想定される主な市場は観光案内やナビ利用が見込まれるレジャー産業や、作業手順を教える製造業など。特に観光・インバウンド需要が高まるレジャー産業を中心に今後はビジネス展開を考えていると発表されました。2019年は開発、実験、検証に尽力し、2020年に本格的に事業化をスタート、2025年の大阪万博などで有効活用されることを目指しています。審査員からは実証実験の実施状況についての質問があり、近く奈良県明日香村にて実施予定と回答されました。

③パペッタ

チーム名:可愛堂
登壇者:大塚崇明氏

チーム「可愛堂」の大塚氏は、自身の愛犬の存在をきっかけに、これからの社会では「人に寄り添う存在の必要性」が高まりに着目。特に、今後も増え続ける一人暮らしの高齢者には必要不可欠であると感じ、高齢者に寄り添いながら、インターネットを通じて緩やかに社会とのつながりを生み出すロボット『パペッタ』を開発しました。パペッタの特徴は、ハンドパペットを着せ替えることで、利用者一人ひとりが愛着を持って楽しめること。さらにパペッタから自主的に利用者に寄り添い、音や声に反応して可愛らしい仕草を行います。ビジネスソリューションは高齢者の子ども世代を購入者層とし、子どもから親へのプレゼントを想定。親がパペッタを可愛がる様子を、子どもたちはネットを通じて知ることができます。またスマホアプリによって介護ヘルパーと高齢者が同じ音楽でつながる仕組みを構築することで、高齢者の満足度やヘルパーのモチベーションアップにも貢献します。今後、1年間は試作品開発と実証実験に力を注ぎ、製品化へとつなげていく考えで、エンジニア・クリエイターなどのパートナーおよび実証実験に協力いただける高齢者や介護施設を広く募集されています。

④非接触バイタルセンサ「メアリー」

チーム名:ジャスト株式会社
登壇者:古川純一氏

サラリーマン時代に同僚の孤立死を経験した古川氏は『世界から孤立死を無くす』を目標に、ドップラーセンサをIoT化した非接触バイタルセンサ「メアリー」を開発。主なターゲットである介護施設では、スタッフの夜の巡回直後に利用者が体調異変を起こしたとしても、次の巡回まで気づけない可能性があるという課題があります。その課題解決のために開発したのが「メアリー」で、小型の非接触バイタルセンサをベッドに固定するだけで、利用者の異常を常時監視できるものです。他の類似製品が大型で介護スタッフの負担が大きいことに対して、「メアリー」は小型で扱いやすいのが最大の特徴。古川氏は、1年後に市場の0.8%、5年後には5%のシェア獲得を目標としています。現在のチームメンバーは発案者である古川氏をはじめ、技術、販売、医療監修者など5名。審査員の方からは、小型化によるデメリットについての質疑があり、小柄な女性利用者の場合にはセンシング精度に不安があるものの、親族で実証実験を行うことで改善に努めているとのことでした。

⑤「価値観別採用」で企業のベストマッチを実現するValue Match

チーム名:株式会社ヒューマンファースト
登壇者:山本陽亮氏

採用や採用後の定着に課題を抱える企業への人材コンサルティングを本業とする株式会社ヒューマンファーストは、候補者の「価値観」に該当するキーワードをルールベースで抽出するツール『Value Match』(テキスト対応・録画による音声抽出対応)を開発。Value Matchは「エントリー支援」「面接支援」の2つの要素で構成されており、エントリー支援では候補者の記入したエントリーシートからキーワードを抽出し、候補者が「組織、成長、働きやすさ、やりがい」のどこに価値を感じているのかを分析。面接支援では音声認識によって、同様に候補者の志向を分析することで、企業において採用、定着、活躍を示唆するアドバイスを行うことが可能です。他サービスとの比較においては、合否判定支援だけでなく、入社活躍支援まで行えるところに優位性があります。また「動物占い」の開発企業とのパートナーシップにより、25万件の個人データを活用したAPI・PLSAの提供・開発支援で連携協力しています。審査員からは既存顧客へのヒアリング状況の質問があり、「自社に合う人材を効率よく確保したい」というニーズが高まっていると山本氏は返答されました。

~Part2へ続く~

この記事を共有する