AIDORは、行動の背中を押してくれるプログラムでした。
合同会社ユキサキ
代表/クリエイティブディレクター 神野太志氏
AIDORプログラムを通じて進めているビジネスは、どのようなものですか?
IoT&シェアリングエコノミーを組合せた『エーヨ!』を展開中
本業はチラシなどの販促物を制作するグラフィックデザイン業務を行っています。その本業の中で、お客様が抱えている課題に気づきました。その課題の一つが販促物の有効的な利用方法であり、もう一つが店舗経営するお客様の望みは抜本的な売上や集客数のアップであることです。そこでIoTとシェアリングエコノミーを組合せた『エーヨ!』というサービスを展開することを思いつきました。
『エーヨ!』は、店舗や施設の空きスペースを活用したい人と、それらのスペースを利用して告知したい人をつなぐマッチングプラットフォームとなります。利用者のタイプは二通りです。「お店や施設の人」は、店舗や施設でチラシなどが置ける告知(空き)スペースを登録します。「告知したい人」は、『エーヨ!』内の数あるスペースの中から気に入った場所を見つけて、利用申込を行うというものです。成約すれば、告知する側がお店側に利用料金を支払い、その一部を手数料として当社が貰い受けるビジネスモデルとなっています。
現在、告知スペースとして登録されているのが東京・福岡・京都を中心に60件ほどです。属性としては、飲食店をはじめ美容室やホテル、ペット系ショップ、お寺などがあります。利用者も年々増加傾向で、告知側のリピート率は80%以上です。利用目的としてチラシの設置だけでなく、演劇・舞台の案内や作品や小物の販売スペースとして活用されている方もいます。当社としては、将来的に告知スペース件数を1万件まで伸ばすことを目標としています。
AIDORに参加したきっかけと、参加当時のビジネスレベルを教えてください
AIDORで空間の価値を計る『空間視聴率』を形にするのが目的
AIDOR参加以前から『エーヨ!』のサービスはスタートしていましたが、ビジネス的にもっと大きく広げていきたいという想いがありました。そんな時にimedioのセミナーでAIDORアクセラレーションプログラムを知って、IoTやAIという自分の持っていない技術に、とても興味を持ちました。
加えて、前々から個人的に考えていたのが、『空間視聴率』の構想です。空間視聴率とは、「そのスペースに対して、実際にどれだけの人が通過し、どれだけの人が視認したのか」を数値化する概念になります。これをIoT技術で形にしたいというのが、今回のAIDORアクセラレーションプログラムに参加を決めた一番の理由です。
なので参加当初、空間視聴率のイメージはあったものの、モノとしてのレベルはまったくのゼロベースです。そこで、まず実現できる「技術者探し」をはじめました。とはいえ、当初はどのようなタイプの専門家を探せばよいのか見当もつかない状態でしたので、AIDORではそうした知識面でのサポートをしてもらいました。そして、最終的には某大学の教授と出会うことができ、開発段階へと進むことができました。
現状で空間視聴率の測定は、ビデオカメラで撮影した映像を持ち帰ってデータ解析する方法で行っていますが、近い将来にはアプリ化してスマートフォンで撮影、そのままデータ化できるようにしたいと思っています。そのためには開発スピードを上げる必要があり、現在は教授の個人的な研究となっている部分を大学とアライアンスで取り組めるように働きかけています。
参加した感想と、どのような部分がメリットだと感じていますか?
発表することでビジネスが成長していくことを実感!
私の思うAIDORアクセラレーションプログラムの構成要素は3つでした。一つはIoTに関する『技術』が学べるということ。もう一つは『ビジネス』のスキルや知識の修得。そして、最後の一つが『発表の場』があること。私は個人的に、最後の『発表の場』が大きかったと思っています。それまで自分のビジネスを人前で公に発表する機会はありませんでした。しかし、発表することで周囲からのリアクションがあり、新たな人とのつながりなども生まれ、ビジネスが発展していくことを感じました。例えば、AIDORアクセラレーションプログラムの最終成果を発表するデモデイでも5分間ピッチをさせていただき、幸運にも優勝することができたのですが、そこで投資家やベンチャーキャピタルの方々との出会いがあり、資金調達に向けて動き出すことができています。