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2024年07月10日その他

【イベントレポート】テックシーカー ハッカソン イベントレポート 2024年6月8日(土)・9日(日)

大好評だった昨年度に続いて、今年度も開催されたコミュニティイベント「テックシーカー2024」。本イベントは、テクノロジー・電子工作・プログラミングなどに興味関心を持つ学生や社会人、そしてベテラン技術者などが一堂に介して、さまざまな垣根を超えてテクノロジーを探求するイベントです。

2024年度のテーマは『電子工作で未来の子どもの生活をハックしよう』。
参加者は子どもたちの遊び、学び、未来社会について考え、それらをハックする電子工作を生み出していきます。

また本イベントは、大きく2回に分かれているのが特徴です。
電子工作技術や、プログラミングを通じて、参加者が楽しみながらハードウェア開発、アプリ開発に取り組み新しいイノベーション創出につなげる「テックシーカー ハッカソン」。そして、先端技術を活用したデジタルものづくり作品が集まり、触れて体験できる場となる「テックシーカー コレクション」の2つのイベントで構成されています。

今回のレポートでは、6/8(土)・6/9(日)に実施された「テックシーカー ハッカソン」のDay1の模様を中心にお伝えいたします。

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6/8(土) テックシーカーハッカソン Day1
【Day1 主なスケジュール】
11:00 参加者入場、受付
12:00 オープニング、主催挨拶、趣旨説明
12:15 アイスブレイク
12:35 進行説明
12:45 「子どもの生活をハックしよう」アイデア出し
13:30 テクニカルインプット
14:00 アイデア出しをしながら、チームビルディング
15:30 チームアイディエーション1回目/テクニカルサポート相談
16:30 デジットからの中継
17:00 チームアイディエーション2回目
18:00 制作物の発表
18:45 閉会
19:00 懇親会

■アイスブレイク タイム
学校のグループ単位で参加している学生さんもいれば、個人で参加している社会人の方も多く来場していた今年度のハッカソン。それらの参加者が、スムーズにアイデアを出し合えるように、まずはアイスブレイクを実施。自分自身が「10歳だった頃の想い出」というテーマで画用紙に絵を書いて、その頃の想い出を同じテーブルの参加者へプレゼンすることからスタート。参加者の年齢層が幅広いハッカソンだけに、10歳が10年前の人もいれば、50年以上前という方も。それぞれが昔の記憶をたどりながら童心に戻ることで、未来の子どもたちの生活をハックするためのアイデア出しの準備の時間となった。

■アイデア出し タイム
アイデア出しの時間では、グループ参加・個人参加を問わず、「電子工作で未来の子どもの生活をハックする」をテーマに、一人1アイデアを提案する流れ。アイデア出しの手法として、まずは未来を表すキーワードをたくさん出し合い、それらを強制的に掛け合わせて形を生み出す「イメージ発散法」を活用。それらを参加者全員で共有しているスプレッドシートに、それぞれが書き込んでいく、リアルタイムかつアクティブなスタイル。さまざまなキーワードやアイデアの種が次々と書き加えられていく様子は会場に設置した大型モニターでも確認でき、参加者だけでなくメンターの面々も興味深く眺めていた。

■チームビルディング タイム
アイデア出しの時間で列挙した内容を、それぞれが一人1アイデアに絞って清書。総勢73人分のアイデアがスプレッドシートに並ぶ。そこからグループ参加のチームは、チーム内で実施する1アイデアを選抜。個人参加者の場合は、各自が良いと思ったアイデアに投票する人気投票を実施。それぞれ人気アイデアの考案者を軸としたチームが16チーム誕生した。

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■チームインタビュー
チーム名/『NanoPIの部屋』
日本ではマニアックなマイコンNanoPIを、こよなく愛することでつながるエンジニア仲間のチーム。例年、年に数回実施するオフ会を今年度はテックシーカーハッカソンで行うことになったそう。三人体制でふたりは滋賀県、もう一人はなんとわざわざ東京から参加。チームアイデアとして決まったのは『子どもの見守りアイテム』。BLE通信を利用した子どもの見守りシステムや、バーコードリーダーを活用した子どもの行動をお知らせするシステムなどを構築予定。実は、このハッカソンに参加が決まった時点から、内輪ですでにアイデアについては議論を重ねていたとのことだが、今晩食事をしながら、またもしかすると別のアイデアになっている可能性もあるとか。

チーム名/『ルイは友を呼ぶ』
昨年に引き続いて2年連続、部活動として参加のECCコンピュータ専門学校 IoT部。チーム『ルイは友を呼ぶ』の現時点のアイデアは、“魔改造ランドセル”。1度買ったら代わり映えしないランドセルの色やデザインが変えられたり、突然走り出したりと、ランドセルの拡張性を最大限に発揮するアイテムを考案。そして、もう一つが“暴言防止マスク”。子供の頃、ちょっとした悪口でケンカになった想い出から、悪口や暴言を言うとポジティブな言葉に変換してくれるマスクも考案。その2アイデアのどちらにするのかを、現在チーム内で議論中。7月のコレクションで、どちらのアイデアが完成しているのか、もしくはどちらのアイデアでもないのか、お楽しみとのこと。

「他のハッカソンにも参加していますが、ハードウェアを制作するハッカソンは珍しくて楽しいです。昨年参加してからモノづくりが本当に楽しくなってきたので、スポンサーの共立電子さんの店舗には週1くらいのペースで行くようになりました(笑)」(参加学生談)

チーム名/mirAI書店
男性4名、女性1名で構成された『mirAI書店』が考えたのは『読書感情文』。子どもが読書した時の気持ちを“何らかのセンサー”で読み取り、感想文(感情文)としてアウトプットするというチャレンジなアイデア。夏休みの宿題の代表格である読書感想文を電子工作で見事に解決する、なんとも夢のあるアイデアを考えたのは、チームで唯一の社会人というのも興味深い。社会人1名、学生4名というチーム編成で、1ヶ月後の完成を目指していく。
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■デジットからの中継タイム
ハッカソンのメンター陣が、スポンサーである共立電子産業株式会社の店舗に赴き、現地から取扱商品をビデオ通話にて紹介するデジットからの中継タイム。今回の参加者には共立電子産業株式会社から一人5,000円分のパーツ購入券が進呈され、翌日のDay2にはそれぞれで必要な部品を買い出しに出かけることもあり、会場の参加者たちは、中継が映し出されている大型モニターを食い入るようみつめていた。

■制作物の発表
各チームの代表者が壇上にて制作予定の工作物について発表。どのチームもアイデアやネーミングにこだわりをみせていたこともあり、完成品への期待は否が応なしに膨らむ。これからテックシーカー コレクションまでの約1ヶ月間、16チームそれぞれが各自で予定を調整していきながら、開発を進めていく。

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□記者あとがき
老若男女を問わずテクノロジーや電子工作に興味関心を持つ方々が集まった、今回の「テックシーカー ハッカソン」。会場内は常にアイデアや技術について話し合う人々の声が飛び交い、非常に熱気あふれるイベントでした。初めて顔を合わせた人同士が、ひとつのアイデアを形づくるために、真剣だけども笑顔を見せながら意見を話し合う場面は、モノづくりの“最も大切なこと”の原点のように感じました。次回は7/6(土)・7(日)の「テックシーカー コレクション」です。楽しみながらモノづくりをするエンジニアの皆さんたちの成果を、ぜひ多くの方々に見て、体験してもらいたいと思います。

取材・文 中西 義富(Office Vinculo)

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