【イベントレポート】テックシーカー コレクション2024 イベントレポート 7月6日(土)・7日(日)
2024年7月6日(土)・7日(日)の2日間、ソフト産業プラザTEQS主催の「テックシーカー コレクション」が、ATC/アジア太平洋トレードセンター ITM棟特設会場(2F・10F)にて開催されました。
本イベントは2024年6月8日(土)・9日(日)に実施された「テックシーカー ハッカソン」からの継続イベントでもあり、テックシーカー ハッカソンで生まれたアイデアを電気工作作品として発表する場であると同時に、さまざまなデジタル作品やサービス、ワークショップなどの展示・購入・体験ができる「デジタルものづくり」に関するお祭りイベントです。
今回のレポートでは、7月6日(土)・7日(日)に開催された「テックシーカー コレクション」の模様をお知らせいたします。
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■イベント展示概要
【ITM棟2F セントラルアトリウム付近】
●ワークショップゾーン
プログラミング体験教室や電子工作体験、生成AIによるオリジナル絵本づくりなど、未来を想像させるデジタル体験が盛り沢山で用意されていたITM棟 2Fのワークショップゾーン。予約なしでも参加できるワークショップも多く、来場者の皆さんが途切れることなく、さまざまな体験をしていました。
●IoT/XR/特別出展ゾーン
企業、学校、サークルなどが、それぞれの技術を駆使した作品を展示していたエリア。VR、ARのバーチャル体験のほか、インターネット連携する電子パーツやプログラミング技術を活用することで、光ったり音を鳴らしたりできる電気工作品が満載でした。特別出展ゾーンには、某テレビ番組でも取り上げられた、有名魔改造マシンも展示されており、担当者の説明を熱心に聞く人たちの姿も見られました。
【ITM棟10F】
●ワークショップゾーン
ITM棟10Fのワークショップゾーンでは、子どもたちが楽しめるプログラミング体験や電子工作体験が、多数用意されていました。
コプリ(PCN大阪)による「大阪たこ焼きロボコン体験会」は2024年10月に開催予定のロボコン大会のプレイベントとして実施。事前にすべての時間が予約で埋まる盛況ぶりで、参加者の子どもたちは90分間のプログラミング体験を通して、たこ焼きロボットをイメージ通りのコースで走らせるプログラミングを学んでいました。
その他にも「電子レンジに電球を入れたらどうなる?」という、やってはいけない大人気の実験シリーズや、SONYのSPRESENSEを使った本格的な自動運転のプログラミング体験など、子どもだけでなく大人でも興味の湧くワークショップが多数開催されており、ファミリーで楽しめるゾーンとなっていました。
●IoT/デジタルファブリケーションゾーン
インターネット通信と連携できる電子パーツやプログラミング技術を活用した作品や展示物が並んだ「IoTゾーン」。色鮮やかに光ったり、不思議な音を発したりする楽器やゲームなどの電子工作も多く、こちらも子どもたちに大人気のエリアでした。
このエリアでは企業だけでなく、個人参加や学校・サークルでの出展も多く、若くアイデア豊富な技術者たちの作品などが展示・販売されていました。
奈良工業高等専門学校の学生サークル「TechRing」は、ラズベリーパイを使って誰でも簡単に電子工作が楽しめるキットを開発。金属用の3Dプリンターで制作した作品なども展示されており、学生たちの技術力の高さを感じるものが多くありました。
昨年に続いて今年も出展していたKoby Engineeringさんの作品は、ゲームのコントローラーで球体に変形する12自由度の4足歩行ロボット。通常はスイカ模様の外殻デザインを、本イベントに合わせて、大阪名物のたこ焼きデザインにバージョンアップ。ボタン一つで4足から球体に変形するのが人気で、たくさんの子たちが楽しそうに体験している様子が印象的でした。
■ハッカソン イベント
●ハッカソンゾーン
2024年6月8日(土)・9日(日)に実施された「TechSeeker Hackathon(テックシーカー ハッカソン)」によって、本年度も多数のアイデア作品が誕生しました。今年のテーマは『電子工作で未来の子どもの生活をハックしよう』。参加技術者の皆さんが、子どもたちの遊び、学び、未来社会について真剣に考え、それらをハックする電子工作を、1ヶ月間という限られた時間の中で製作。
ITM棟10Fに設けられた「ハッカソンゾーン」には各チームが協力して作った創造的な作品が展示され、ハッカソンの参加者同士や協賛企業様、来場者の皆さんなど、さまざまな人々が交流できる場所となっていました。
また、最終日の7/7(日)には各作品のコンセプトや完成度をお披露目するプレゼンテーションイベントが開催され、各賞の表彰が行われています。
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7/7(日)ハッカソンイベント スケジュール
13:30~16:00 ハッカソンチーム プレゼンテーション
各チームが約1か月間行ったハッカソンの結果を、映像や実演を交えて解説するプレゼンテーションを実施。アイデアの通りに実現できた作品もあれば、この1ヶ月間の紆余曲折を経て出来上がった作品など、各チームにおけるさまざまなハッカソンのストーリーが発表されました。
(ピックアップ作品)
作品名:カゲキなランドセル~輝く不審者撃退ランドセル~
チーム名:青すぎてATCにめりこむ狼
今も昔も未来でも、子どもたちの必需品であろうランドセルを過激に改造したのが、昨年に引き続いて参加の「青すぎてATCにめりこむ狼」チーム。
この魔改造ランドセルには不審者を検知するカメラセンサーや、不審者を撃退するための各種武器(?)も備え付けられているほか、ランドセル全体がピカピカに光るなど、とにかく未来の子どもを守るための装備が豊富に付けられていました。
さまざまな装備とランドセル本体を自作した結果、重量が5kg超となり、来場した子どもたちからは「重そう(笑)」というコメントが殺到したそうです。
(ピックアップ作品)
作品名:光る!!鳴る!!DX雨傘刀!!
チーム名:画伯の裏切り
「子ども」✕「傘」となれば、やはり思いつくのはチャンバラごっこ。
それをより未来感あふれるものに仕上げたのが、専門学校生チーム「画伯の裏切り」の「光る!!鳴る!!DX雨傘刀!!」。
その名の通り、色鮮やかに光と音を放つ傘なのですが、付属の腕時計デバイスによって、モード変更ができるのが特徴。
通常時は傘を降る角度によって光が変化し、スリープモードではBLE接続で傘本体と腕時計が離れることで忘れ物を防止。
さらにアルティメットモードでは必殺技を繰り出せるようにもなっていて、子どもたちの心をくすぐる設計となっていました。
16:00~17:30 結果発表/表彰式
完成度(機能面、外装面)の高さ・アイデアの独創性・電子機器の活用度を基準に審査されました。協賛企業様からの各賞においては、ハッカソンにご提供いただいた電子機器やサービスの活用度などを参考に協賛企業様の独断でご選考いただきました。
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イベント総括
子どもたちや、その親御さんたちを含めたファミリー層を中心に、多くの来場者が訪れた本年度の「TechSeeker Collection(テックシーカー コレクション)」は、非常に活気に溢れたイベントでした。会場の至るところで、「これ何?」と不思議な顔をしながら展示物に近づき、製作者さんの説明を聞いて驚き、楽しみながら遊ぶ、子どもたちの表情がとても印象的でもありました。
また、ハッカソンゾーンは70名を超えるハッカソン参加者と、スポンサーやメンターたちの交流の場でもあり、常にアイデアと笑い声が絶えず、モノづくりの楽しさの原点を感じられる場所でもありました。全員がすべての作品やアイデアに対して、肯定的に向き合い、いろいろなアドバイスや意見を送り合う姿が心に残っています。こうした前向きな環境だからこそ、未来を楽しくハックする作品たちが生まれたのだと感じました。来年度は、またどんな未来をハックするのか、楽しみに待ちたいと思います。
取材・文 中西 義富(Office Vinculo)