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2024年11月29日その他

【イベントレポート】ATCロボットストリート レポート 2024年10月26日(土)、27日(日)

2024年10月26日(土)、27日(日)の2日間、大阪・南港の複合商業施設ATC(アジア太平洋トレードセンター)で、『ATCロボットストリート』が開催されました。

ATCロボットストリートは、最新テクノロジーを体験することで、楽しみながら学び、未来社会と出会い、そして考えることをコンセプトとしたイベントです。次世代を担う子どもたちに、最新テクノロジーをみて・ふれて・まなんでもらい、これからの社会課題について親子で一緒に考える機会になることを願っています。

本イベントにおいて公益財団法人大阪産業局(ソフト産業プラザTEQS)は、ITM棟2・4階の「タッチ&プレイ」エリアの企画・運営に携わりました。

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ITM棟2・4階/「タッチ&プレイ」エリア

ITM棟2階のセントラルアトリウムと4階フロアに設けられた「タッチ&プレイ」エリアには、“みて・ふれて・まなぶ”ことができる20種類のブースが出展。各ブースは「未来のバーチャル技術」「未来のヘルスケア」「未来のテクノロジー」の3ジャンルに分けられています。どのブースでも不思議そうにデモプレイを眺めたり、飛び跳ねながら体験ゲームを楽しんだりする子どもたちと、子ども以上に興味津々で説明を聞く大人たちの姿が見受けられました。

その他、ITM棟2階では毎年白熱の戦いで人気を集めている『ロボファイト』や、移動ロボットや遠隔操作ロボなどのデモ&体験エリアも設置。たくさんの人々が足を止めてロボットたちの動きに興味を示していました。

■ブース紹介

世界初!誰でも楽しめるAIダンスショー
マッドソフト株式会社

デジタルサイネージを活用したAIダンサーと生成AIによる楽曲の自動作成が楽しめるブースを展示していたのが、福岡県に本社を置くマッドソフト株式会社。利用者がサイネージに表示される「マカロン」「わらびもち」など、食べ物にちなんだテーマを選ぶことで、AIがテーマに合わせた作曲を行い、ダンスの振り付けまでを自動生成してくれる。今回出展した狙いについて、代表取締役の芝原隼人氏は「これから世界展開を目指す中で、子どもたちの反応は世界共通なので、どのような感じで受け入れられるのかを見たい」と話す。実際にブースではサイネージに移されるキャラ(アイリス)に合わせて、一緒にダンスを踊るお子さんの姿が見られた。

バーチャル空間に迷路が登場。攻略できるかな⁉
ホログラム株式会社

ITM棟2階のセントラルアトリウムの一角で、MRグラスを持ちながら、何もない場所をクルクルと歩き回る人たちが体験していたのは、ホログラム株式会社が提供するバーチャル迷路。専用のMRグラス「ダングラ」にスマホを装着することで、現実には何もない場所にバーチャル迷路が出現する。利用者は壁を避けながら、レバーなどのギミックを使って、ゴールを目指していく。咲洲テック・ラボ・プログラムの参加企業でもあるホログラム株式会社の山地直彰氏は、出展目的として「コンテンツのパッケージ化にあたって、専門家でない人が運用する際の課題を検討するのが目的」と話す。実際、この日の運営にはアルバイトスタッフが対応し、利用者への説明で伝えにくい部分などを調査。2024年内にはモニター利用を開始予定で、さらにコンテンツやサービスの充実を目指していく。

デジタルヨセガキ
SoVeC株式会社

子どもたちが描いた絵や文字が大型スクリーン一面に映し出されて、来場者の注目を集めていたのが、ソニーグループのSoVeC株式会社が展示していた『デジタルヨセガキ』。紙の寄せ書きはスペースに限りがあり、後になればなる程、書く場所が無くなるが、デジタル化でその課題を解消する。タブレットに描いた絵は大型スクリーンに転送され、一時的に大きく表示。次の人が描くことで、前の絵はスクリーン内の空きスペースに移動してフワフワと浮遊する。スクリーンが埋まってしまったら、キャンパスを一旦クリアにして、新しく書き始めることができる。本イベントでも、朝に描いた絵が夕方もスクリーン上でフワフワと動いていることを喜ぶ子どもの姿が見られた。オンライン対応可能で、例えばスポーツやアーティストなどのイベント時にはファンが自宅から送った絵やメッセージが会場のスクリーンに投影されるという使い方もできるとのこと。

ゲーム感覚で楽しむ未来の運動
TANOTECH株式会社

ITM棟4階の「タッチ&プレイ」エリアで、モニターに向かって身振り手振りを行っている子どもたちが楽しんでいたのが、TANOTECH株式会社が開発した非接触・非装着型モーショントレーニングツール『TANO』。モニター付近に設置されたモーションセンサーが、人間の動きを読み取り、体をコントローラー代わりにして直感的に運動やゲームを楽しめる。センサーは奥行きまで感知するので、例えばボクシングゲームのパンチとガードの状態も、体の動きに合わせて認識してくれる。『TANO』に搭載されたコンテンツは現在250種類以上で、主には高齢者向けのリハビリや運動促進として活用されている。病院や高齢者施設などへの認知は広がっているが、それらに加えて子どもやその親御さんたちへの認知度アップを図り、学校などでの運動サポートにも役立ててもらいたいと、担当スタッフのフルエさん。ブース前を行き交う子どもたちが吸い込まれるようにモニター前に集まり、自然と体を動かしているのが印象的だった。

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ITM棟2・3・4・10階/「ワークショップ」エリア

今年の「ワークショップ」エリアはITM棟2・3・4・10階に分かれて開催。子どもたちが実際に見て・触れて・考えて・創りながら楽しめる、多彩なワークショップが目白押しでした。PCやタブレットによるプログラミングやモノづくり系、体験系のほか、昨年に引き続いて人気ゲーム『マイクラ』を題材にしたものや子どもたちにも人気のドローンなど、全17プログラムを用意。今年度も多くのブースが事前予約の段階で満席となり、一生懸命に取り組む子どもたちの熱気で溢れていました。

■ブース紹介

大型ロボットを操縦して射的に挑戦!
JRT大阪ヴェルテックス

ITM棟10階で大型ロボットの操縦体験のワークショップを開催していたのが、小中学生が在籍しているジュニアロボットチームの「JRT大阪ヴェルテックス」。同チームはATC内のiRooBOを活動拠点として、週末に月2回の頻度でロボット制作に励んでいる。今回のワークショップではメンバーの小中学生たちがハードウェアからソフトウェアまでを作った大型射的ロボットを用意して、参加者たちに操縦体験をしてもらう。ブースを担当していた小林雄一郎氏(一般社団法人 次世代ロボットエンジニア支援機構)は「まずはロボットに触れたことのない参加者たちに触れてもらい、ロボットやエンジニアリングに興味を持ってもらいたい」と話す。「私たちはロボット作りを通じて、エンジニアリングの基礎や考え方を子どもたちに学んで欲しいと思っています」(小林氏)

ハマる!マインクラフト®️で初めてのプログラミング
キッズプログラミングスクール ハック

子どものみならず大人にも人気のゲーム『マインクラフト』を使ったプログラミング体験のワークショップを開催していたのが「キッズプログラミングスクール ハック」。同スクールは関西圏で複数のプログラミングスクールを開校しており、大阪ATC校はITM棟3階のRobo&Peace内で活動している。今回のワークショップでは、マインクラフトの世界でオリジナルキャラの「ハック」が27個のダイヤブロックを破壊するブログラム作りを、参加者が完成させるというもの。「子どもでも理解しやすいブロックプログラミングなので、最初は戸惑うお子さんもいますが、要領を得るとすぐに出来る子が多いです」と担当スタッフさん。30分間の体験時間をいっぱいまで利用して、一つでも多くのダイヤブロックを壊そうとプログラムに熱中している子どもたちの姿が多く見られた。

ドローンプログラミング&操縦体験
ワンズ株式会社

ドローンスクールを開講しているワンズ株式会社のブースでは、ドローンプログラミングと操縦体験のワークショップを開催。参加者の子どもたちはブロックプログラミングを駆使して、デモ映像に映し出されるドローンを動かした後に、リアルなコントローラーを使って実物の小型ドローンの操縦を体験する。「ドローンの認知度は高まっていますが、まだ実際に動かしたことのある人は少ないです」と話すのは、今回のワークショップで講師を務めたドローンレーサーの岸本貴子さん。「まずはドローンに触れてもらって、思い通りに動かせることで成功体験を持ってもらいたい」(岸本さん)。取材中も初めてドローンに触れたにもかかわらず、センス良く飛行させる参加者もいた。「このような機会にドローンに興味を持ってもらい、将来の職業の選択肢のひとつにしてもらいたいですね」と岸本さんは話す。

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取材・文 中西 義富(Office Vinculo)

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