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2024年10月16日

テック・ビジネス・アクセラレータ『SUITCH』 受講生インタビュー


2023年度に実施したテック・ビジネス・アクセラレータ『SUITCH』2期の受講生であり、株式会社SKILL SPARKの取締役CTOを務める秋田恭輔氏に、同社が展開する事業内容やSUITCHプログラムを通じて経験したことをお話いただきました。

 

 

株式会社SKILL SPARKとは、どのようなビジョンを持つ会社ですか?

私たちSKILL SPARKのコーポレートビジョンは、「一人ひとりのスキルで社会を輝かせる」です。私を含め、創業メンバー3名は企業に属しながら副業でSKILLSPARKを起業しました。企業で働く中で、部署異動や昇格に伴い求められるスキルが大きく変化し、これまで培ってきたスキルを活かせない状況に違和感を覚えていました。新たな環境に適応し、必要なスキルを身に着けていくことは重要ですが、『自分が大切にしているスキルを輝かせる場所が欲しい』という思いから、この会社を立ち上げました。

 

 

サービスとしての『SKILL SPARK』は、どのようなものですか?

『SKILL SPARK』は、不動産会社と全国の宅建士をつなぐオンラインマッチングプラットフォームです。不動産業界で働いているかどうかに関わらず、宅建士が活躍できる場を提供し、不動産会社のニーズに応じたマッチングを行うことで、不動産業界の人手不足、経営上の課題を解決することを目指しています。

資格として知名度が高い宅建士ですが、不動産業界において重要な役割を担っているのをご存じでしょうか。宅地建物取引業法の規定により、不動産契約の成立前に行われる重要事項の説明は、宅建士のみが行うことができます。また、宅地建物取引業者は事務所ごとに従事員5人に1人の割合で、専任の宅建士を配置する義務があります。

しかし、宅建士の独立や産休、退職などにより、業界では常に宅建士不足が続いています。さらに最近では外国人の不動産取引需要も高まっており、多言語対応など宅建士に求められるスキルも多様化しています。
『SKILL SPARK』は、不動産会社が地域の市場動向に柔軟に対応できるよう、必要な宅建士をスポットで業務に従事させることができるサービスです。

 

 

#SUITCHプログラムに参加したきっかけを教えてください。

『SKILL SPARK』はすでにサービス提供していますが、今回の取り組みは単にweb3.0化を目指したわけではありません。SKILL SPARKのCTOとして、web3.0という先進テクノロジーに挑戦し、どのような価値を創出できるか試してみたいという思いが強く、エントリーを決めました。結果的に事業拡大につながれば幸運だというのが当時の正直な考えです。

エントリー時点では、web3.0のビジネス開発はゼロからのスタートでしたが、ネットや書籍、動画などを活用して研究を重ね、多くのアイデアを出し、メンバーと何度もディスカッションを行いました。その結果、プログラムに認められ、参加することができました。
最終的にはデモデイ(最終発表会)で最優秀賞をいただき、知識と自信、そしてweb3.0に関わるネットワークも構築することができ、挑戦が実を結んだと実感しています。

 

 

SUITCHに参加したことで、既存サービスにどんな変化がありましたか?

宅建士のスキル評価の方法に非常に大きな影響を受けました。私たちは『宅建士のスキルの視える化』に関する研究を進めており、『SKILL SPARK』のサービスを通じて、宅建士の業務実績や成果を記録・評価し、不動産会社とのマッチング精度を継続的に向上させることを目指しています。今回のプログラムを通じて、web3.0のテクノロジーを活用し、宅建士のサービス内での行動そのものに着目した報酬制度の導入を着想しました。

詳細は控えますが、基本的な考え方として、本人が無意識に大切にしている価値観や特性がサービス上の行動に反映されるため、その行動に対して報酬やスキル認定を与えることで、無自覚なスキルの認知や働きがいの向上につながるのではと考えています。

さらに、このプログラムを通じて得られた知見は、今後不動産業界にとどまらず、オンライン化が進むあらゆる分野にも応用できる可能性があると感じています。

 

SUITCHに参加して、どのようなメリットを感じましたか?

プログラム初回の基礎概論を学んだ後、メンターとビジネスアイディアやシステム実装について何度も壁打ちを繰り返すことで、短期間でプロダクトを具現化できた点に大きなメリットを感じました。
限られた知識と期間の中でプロダクトを開発するという「ハラハラドキドキ感」もあり、非常に高いモチベーションで取り組むことができたと思います(笑)。

メンターとの壁打ちでは、さまざまな観点からアドバイスをいただき、その後、自分で調べて理解しながらビジネスモデルをブラッシュアップする過程がとても有意義でした。また、SUITCHプログラムの同期が行う壁打ちの内容を聞くことで、web3.0への理解をさらに深めることができましたと思います。

 

 

今後の展開について教えてください。

『SKILL SPARK』は、宅建士のオンラインマッチングプラットフォームとして、不動産業界に新しい宅建士採用の形を提供しています。現在、宅建士のスポットワークが市場に受け入れられるかを検証するため、トライアルを実施しています。今後は、サービスの正式リリースに加えて、さらなる技術開発を進めていく予定です。

AIやブロックチェーン技術を活用した新しい機能の追加も計画しており、宅建士と不動産会社双方にとってのメリットをさらに高めることで、不動産業界が抱える人手不足や経営課題の解決に貢献していきたいと考えています。これに伴い、私たちと共に未来のサービスを作り上げる新たなメンバーも募集中です。『SKILL SPARK』は、スキルを活かして社会に貢献するというビジョンを共有できるメンバーと共に、さらなる成長を目指していきます。

AIがますます浸透していく中で、ひとり一人のスキルが最大限に発揮されるような、”SKILL SPARKらしい”サービスを作り上げていきたいですね。

 

 

取材・文 中西 義富(Office Vinculo)

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