【レポート】2021年度 xDrive 5Gビジネスマッチングプログラム
『xDrive』がスタート!
公益財団法人大阪産業局(ソフト産業プラザTEQS)主催による、5Gを活用した製品・サービス開発を目的とするオープンイノベーションプログラム『xDrive』が、令和3年度に初めて開催されました。『xDrive』とは、大手企業が5Gを活用して今後実現したいサービステーマを発表し、それらを実現するために必要な製品、サービス、技術を持つスタートアップや中小企業などが共同開発を提案するマッチングプログラムです。第1回目の応募期間は令和3年9月7日(火)から10月29日(金)で、日本や関西を代表する大手5者がテーマを発表し、協業パートナー企業を選定いたしました。
【参加企業とテーマ】
●南海電気鉄道株式会社
まちと融合したeスポーツの新しいカタチの実現
●清水建設株式会社
5Gを始めとしたデジタル技術活用による建設業のDX化、生産性向上に資する提案
●関西テレビ放送株式会社
コンテンツやエンターテイメントの枠にとどまらない、新たなユーザー体験の提供
●森ノ宮医療大学
医療及びヘルスケアにおける5G活用。5Gによる生体センシング×セルフメンテナンス
●プロスポーツチーム運営会社
5Gを活用して来場者の体験価値を向上させるテクノロジーやサービス
各大手企業の募集テーマに対して、さまざまなサービスや技術力を持つスタートアップ、中小企業からの応募があり、厳正なる審査の結果、5者すべて協業パートナー企業とのマッチングが成立。個別面談や具体的なビジネスモデル構築のためのワークショップ、セミナーなどを実施し、現在進行形でプロジェクトが進んでおります。
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~マッチング例~
【清水建設株式会社 × ホルトプラン合同会社】
大規模な公共工事や大型のビル・施設建設を行う『清水建設株式会社』とマッチングしたのは、小型で低コストのオリジナルセンサデバイスの開発・製造で高い技術力を持つ『ホルトプラン合同会社』。ホルトプラン合同会社は、自社の強みである小型の3次元風向風速センサや小型環境センサを用いた“空間における空気の流れのリアルタイム可視化”を提案。建築現場や室内における空気の流れが見えることで、現在大きな社会問題となっている新型コロナウィルスの空気感染(エアロゾル感染)を予防し、建設業に従事する技能労働者が安全かつ安心に働ける環境づくりなどを提案しています。
【森ノ宮医療大学 × 凸版印刷株式会社・株式会社フォーカスシステムズ】
大阪・南港のベイエリアを基点とする医療系総合大学である『森ノ宮医療大学』が協業パートナーとして選定したのは、印刷業界において長い歴史を持つ『凸版印刷株式会社』のヘルスケアチームと、システムやソフトウェア開発で多数の実績を持つ『株式会社フォーカスシステムズ』です。森ノ宮医療大学が求める医療での5G活用に対して、凸版印刷株式会社はグループ企業が開発運営するウォーキングアプリ「aruku&(あるくと)」等を利用した健康活動を提案。また、株式会社フォーカスシステムズからは豊富なノウハウ生かしたシステム開発を提案。2つの提案を掛け合わせることで、個人個人に合わせた運動指導やウォーキング促進などによる未病での活用を想定して、プロジェクトが進行しています。
【プロスポーツチーム運営会社 × 株式会社デナリパム】
関西に本拠地を置くプロスポーツチームを運営する企業が選んだのは、AI・ロボット・IoTなどの先端技術の研究開発を行う『株式会社デナリパム』。同社は、カメラ映像を元に、リアルタイムで人の動きや顔のトラッキングデータ化、3Dモデルへの反映などを行えるAI技術に強みを有しています。今回はその強みを存分に発揮し、試合会場への来場者へ新しい来場体験を提供する斬新なサービスが提案されています。今後は、より具体化し、導入に向けた検討を進めていく予定です。
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5Gビジネスマッチングプログラム『xDrive』は、令和3年度にマッチングした5つのプロジェクトのサポートを継続するとともに、令和4年度でも新たに新規募集を実施予定です。詳細が決まり次第、当サイトにてご案内いたします。皆様のご参加をお待ちしております。
取材・文 中西 義富(Office Vinculo)