【イベントレポート】TechSeeker Hackathon イベントレポート 2023年6月10日(土)・11日(日)
2023年6月10日(土)・11日(日)の2日間に渡って、ソフト産業プラザTEQS主催による「TechSeeker Hackathon(テックシーカー ハッカソン)」が開催されました。本イベントは2019年に開催された「デジットハッカソン」から装いを新たに「TechSeeker(=テクノロジーを探求する人)」名を冠して、パワーアップされたイベントとなっています。今回のテーマは「電子工作で未来社会をハックしよう!」。参加者が考える未来社会の電子工作のアイデアを、参加者同士やスポンサー企業やメンターを巻き込んで、作り上げていきます。
また、本ハッカソンは、プレゼンテーション&デモンストレーションでの優劣を競う競技ではなく、 成果物の特長を評価して表彰するスタイルです。成果物は7月15日(土)・16日(日)に開催される「TechSeeker Collection(展示会)」にて、一般来場者向けにも展示・PRされるコミュニケーション重視のコンテストとなっています。
今回のレポートでは、6月10日(土)・11日(日)に開催された「TechSeeker Hackathon(テックシーカー ハッカソン)」のDay1・Day2の模様をお知らせいたします。
■Day1
6月10日(土)12:00〜19:00
アイデアソン&チームビルディング
11:30 参加者入場、受付
定員を上回る応募があり、その中から一般40名、学生41名が参加されました。
12:00 オープニング、主催挨拶、趣旨説明
12:15 アイスブレイク
アイデア出しのヒントを探るアイスブレイクタイム。
12:35 進行説明
12:45 「みんなで考える未来社会」アイデア出し
参加者それぞれが考える未来社会で実現したい電子工作のアイデアを想起。
13:30 テクニカルインプット
テクニカルサポート企業およびスポンサー企業による提供されるハードウェアやサービスに関する案内。各参加者は実現したいアイデアに合わせて、機器やサービスを利用することが可能です。
14:00 アイデア出しをしながら、チームビルディング
各参加者はアイデアの種をボードに書いて、それを持ちながら他の参加者とマッチングに向けて意見交換を行います。アイデアの共通項やお互いが補い合う部分を見つけてチームを結成していきます。
15:30 チームアイディエーション1回目/テクニカルサポート相談
それぞれのチームに分かれて、最終的に完成させる成果物についての話し合い。サポーター(スポンサー、メンターなど)からのアドバイスも受けながら、各チームが成果物のイメージを固めていきます。
16:30 デジットからの中継 -こんなデバイスあるよ紹介-
参加者には共立電子産業株式会社(スポンサー企業)からパーツ購入用の電子チケット5,000円/人を支給。Day2に訪問予定のデジット店舗と中継をつなぎ、売り場やパーツの紹介を実施。
17:00 チームアイディエーション2回目
これまでの情報を再度まとめて、チーム内で成果物についての話し合いを実施。
18:00 作るもの発表
参加者は全20チームに分かれ、各チームのイメージする成果物を発表。
19:00 懇親会
Day1の締め括りとして、懇親会を開催。参加者同士はもちろんのこと、スポンサー企業やサポート企業、メンター陣も含めて、さまざまな場面で意見や情報交換が行われた活気ある時間でした。
■Day2
6月11日(日)10:00〜18:00 ハッカソン
※午前は部品購入フリータイム、14:00よりオープニング
午前 デジット店舗でお買い物
参加者は任意で、日本橋にある共立電子産業のデジット店舗にて、アイデア実現のために必要な回路やパーツなどの電子部品を捜索して購入。その他、会場で開発を進めたいチームは午前中よりハッカソンを開始。
14:00 Day2オープニング、利用予定のテクニカルサポート確認
14:30 中間発表
当初の予定を繰り上げて、各チームのイメージする成果物についてプレゼンする中間発表を実施。ここでの発表内容に応じて、テクニカルサポート・スポンサー・メンターからの具体的なアドバイスが実施されることで、各チームのハッカソンのレベルがアップします。
(チーム紹介)
チーム名:とても青い狼
会社の同僚5人組で結成された「とても青い狼」チームが構想するのが、盗まれたら暴れる『カゲキな傘』。自分のビニール傘がもし知らない内に盗まれてしまったら、取り戻すことはできなくても、盗った人に嫌がらせをしてやろうというのがコンセプト。傘が叫びだしたり、虹色に光りだしたり、ビリビリと痺れたりと、さまざまな嫌がらせをする傘を開発する予定。傘から所有者へ情報を発信するのには、SONYさんのSpresenseやさくらインターネットさんのサービスなどを活用して構築する考えとのこと。
チーム名:モチベーター
“貯金ができない”と“物忘れを無くしたい”という、2つの共通項で集まった初対面の6名で構成されたチーム「モチベーター」。そのチーム名の通り、モチベーションを保ちながら忘れずに貯金ができる『育つ貯金箱』をハッカソンする。基本構想はIoTな貯金箱。貯金をすることで、何かしら(現段階ではお城や電飾ツリーなどが候補)が三次元的に成長するイメージで進行している。初対面の6名でありながら、偶然にもメカ担当が3名、IoT担当が3名と、得意分野がバランス良く分かれた楽しみなチームである。
チーム名:平穏に暮らし隊
専門学校のIoT部の仲間同士で参加してチーム結成されたのが「平穏に暮らし隊」。彼らが考えているのが『親フラ感知』というツール。子供世代として、突然親が部屋に入ってきたりすると嫌だという悩みから、親が部屋に近づいてきたらお知らせしてくれるというもの。部屋の手前に設置した人感センサーに反応があれば、LINE経由で自分たちのスマホへ通知が来る仕組みを考えている。また不在の時に入室された場合には、ちょっとした嫌がらせとしてLEDが発光したり、ブザー音を鳴らしたりすることも考案中。
15:00 ハッカソン
各チームが、購入した部品やパーツなどを組み合わせたり、ハンダ付けしたりするなどして、徐々に成果物の完成形のイメージを膨らませていく。さらにチーム毎で話し合いを重ねて、7月の発表に向けて、今後の進行スケジュールなどを詰めていく。
17:30 Day2クロージング、展示と決勝の案内
18:00 閉会
(スポンサーコメント)
共立電子産業株式会社
部長 四元 徹氏
当社は大阪の日本橋に店舗を構えて、電子部品や電子工作キットの販売を行なっている企業です。私たちの想いとしては、このような電子部品に触れて、さまざまなモノづくりを楽しんでいただく人が一人でも多く増えてもらいたいという気持ちがあります。それが「TechSeeker Hackathon(テックシーカー ハッカソン)」に協賛する一番の意義です。しかし、そのような目的だけに留まらず、参加者の皆さんとはDiscordを通じて、いろいろな意見交換をさせてもらったり、面白いアイデアを聴けたりすることで新たな発見もあるのが魅力的で楽しいイベントですね。参加者も顔見知りの凄腕エンジニアもいれば、学生の方も多く居ますし、特に学生の方たちにはこれからのモノづくりを担う人材として期待しています。また懇親会などを通して、他の参加企業やメンターの方とも交流が持てることにも、大きなメリットを感じています。次は7月の「TechSeeker Collection(展示会)」で、どんな成果物が展示されるのかが楽しみです。
取材・文 中西 義富(Office Vinculo)