【イベントレポート】TechSeeker Collection23 イベントレポート 7月15日(土)・16日(日)
【TechSeeker Collection イベントレポート】
2023年7月15日(土)・16日(日)の2日間、ソフト産業プラザTEQS主催の「TechSeeker Collection(テックシーカー コレクション)」が、ATC(アジア太平洋トレードセンター)ITM棟2F・10Fにて開催されました。本イベントは約1か月前に実施された「TechSeeker Hackathon(テックシーカー ハッカソン)」からの継続イベントで、TechSeeker Hackathonで生まれたアイデアを電気工作作品として発表する場であると共に、さまざまなデジタル作品やサービス、ワークショップなどの展示・購入・体験ができる「デジタルものづくり」に関するお祭りイベントです。
今回のレポートでは、7月15日(土)・16日(日)に開催された「TechSeeker Collection(テックシーカー コレクション)」の模様をお知らせいたします。
■イベント展示概要
●ウェルカムゾーン/ITM棟2F セントラルアトリウム付近
TechSeeker Collectionの玄関口としてITM棟2Fに設けられた「ウェルカムゾーン」では、最新テクノロジーを活用したデジタルものづくり作品を気軽に体験できる5つのブースが設置されていました。メイン会場となるITM棟10Fでの展示内容に自然と期待が膨らんでいきます。
●ワークショップゾーン/ITM棟10F
プログラミングや電子工作の体験が行える「ワークショップゾーン」。イベント開催告知と同時に大きな反響があり、小中学生向けの予約制ワークショップでは応募定員がすぐに埋まるほどの申込がありました。「お金を入れたら光る貯金箱」や「プログラミングによって自動走行するロボットカー」などを真剣な眼差しで組み上げる子どもたちの顔が印象的でした。また当日参加できる企画もあり、その場で興味を示して参加する子どもやご家族も多くいらっしゃいました。
●IoTゾーン/ITM棟10F
インターネット通信と連携できる電子パーツやプログラミング技術を活用した作品や展示が並んだ「IoTゾーン」。色鮮やかに光ったり、不思議な音を発したりする楽器やゲームなどの電子工作作品も多く、こちらも子どもたちに人気でした。
懐かしの黒電話をデジタル化した作品や電源のON/OFFが行えるハサミなど、一見どのように使用するのか考えてしまうような作品が並んでいるのも本イベントの魅力のひとつで、展示者の解説に対して、他の展示者や参加者の素朴な質問などを行うことで、また新しいアイデアの種が生まれていました。
●デジタルファブリケーションゾーン/ITM棟10F
3Dプリンターやレーザーカッターなどの最新機器を使用してデジタルデータを元に製作された立体作品が展示・販売されていた「デジタルファブリケーションゾーン」。大阪芸術大学の学生による出展や今流行りのアクリルスタンドなど、女性に喜ばれそうな可愛らしい小物類も多く並んでいました。
●XRゾーン/ITM棟10F
ヘッドセットやスマートフォンを使用して最先端の仮想世界(VR)を体験できる作品が集まった「XRゾーン」。なかでも映像コンテンツの製作を手掛けている企業のVR恐竜ライドは男の子を中心とした子どもたちに人気が高く、順番待ちをする姿も見られました。
■ハッカソン イベント
●ハッカソンゾーン/ITM棟10F
約1か月前に実施された「TechSeeker Hackathon(テックシーカー ハッカソン)」によって約20個のアイデア作品が誕生しました。ITM棟10Fに設けられた「ハッカソンゾーン」には各チームが協力して作った創造的な作品が展示され、ハッカソンの参加者同士や協賛企業様、来場者の皆さんなど、さまざまな人々が交流できる場所となっていました。
また、最終日となる7/16(日)には各作品のコンセプトや完成度をお披露目するプレゼンテーションイベントが開催され、TechSeeker賞をはじめ、協賛企業様からの各賞の表彰が行われています。
7/16(日)ハッカソンイベント スケジュール
13:30~16:00 ハッカソンチーム プレゼンテーション
各チームが約1か月間行ったハッカソンの結果を、映像や実演を交えて解説するプレゼンテーションを実施。アイデアの通りに実現できた作品もあれば、志半ばで完成できなかったものや紆余曲折を経て変化を遂げて出来上がったものなど、各チームにおけるさまざまなハッカソンのストーリーが発表されました。
16:00~16:30 企業プレゼンテーション
TechSeeker Hackathon(テックシーカー ハッカソン)において、電子機器やサービスの提供を行っていただいた協賛企業様によるプレゼンテーションタイム。各企業様においても、イベントを通じて多くの発見や気付きがあったこともご報告いただきました。
16:30~17:30 結果発表/表彰式
TechSeeker賞は審査員3名によって、完成度(機能面、外装面)の高さ・アイデアの独創性・電子機器の活用度を基準に審査されました。協賛企業様からの各賞においては、ハッカソンにご提供いただいた電子機器やサービスの活用度などを参考に協賛企業様の独断でご選考いただきました。
TechSeeker賞 受賞作品紹介
◯作品名:Beaver(ビーバー) チーム名:Qチーム
ものづくりに興味を持つ社会人が集まり、技術向上や交流を図っているサークルメンバーで参加した「Qチーム」の『Beaver』がTechSeeker賞に選ばれました。作品コンセプトは、AIの技術発展によってロボットが人間の仕事を奪うのは本当なのか? 人間とロボットが共に寄り添い合い生きる未来の社会を見せよう!というもの。作品としては、既存ピアノにアタッチするだけで、自動演奏してくれるBeaverロボットを製作することで、ロボット単独で演奏させるもよし、人と一緒に連弾するのもよしという、未来のピアノ演奏のあり方を提示しています。見た目の可愛さやアイデアだけにとどまらず、ロボット筐体をアルミフレームやリニアガイドレール等を用いて構成し、側面にラックギアを貼り、エンコーダ付き高トルクDCモータ(+電流センサ)でPID制御を行い、指定位置への迅速で正確かつハイトルクな移動を実現。さらに制御マイコンにはM5StackCore2、SPRESENSEを使用し、スマホアプリとMQTTで通信を行い、スマホアプリから鍵盤をタッチすることでリアルタイム演奏や、楽譜を作成してインプットできる機能も搭載するなど、高い完成度となっていました。
取材・文 中西 義富(Office Vinculo)