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2022年01月15日研究会

5Gビジネスミートアップ&サロン(ヘルスケア分野)レポート

「5Gビジネス ミートアップ&サロン」は、業界インプットからビジネスモデル構築までを一気通貫で行い、5Gビジネスを深堀りするプログラムです。本プログラムは業界のトレンドやビジネスポイントを5G活用の視点で情報共有する「セミナー」と、それぞれのアイデアをビジネスモデルに落とし込み専門家からのアドバイスを受けるワークショップを中心とした「研究会」で構成されます。

テーマごとに年4回の開催を予定し、第2回目は「ヘルスケア分野向け製品・サービス開発」をテーマに開催されました。

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「ヘルスケア分野向け製品・サービス開発」をテーマに行われた第2回目は、2021年7月21日(水) 18時30分からZoomによるオンラインセミナーで開催されました。

まずセミナーのキーノートとして、デジタル×ヘルスケアビジネスの領域で多数の事業を立ち上げられた株式会社アイリスCOOの田中 大地氏にご登壇いただき、「5Gで広がるIoMD(IoT医療機器)の可能性 」をタイトルとして、ご講演いただきました。

田中氏は、ヘルスケア分野での事業開発おいて必要なことに「医療の歴史を抑える重要性」を解き、医療の過去、現在、未来を考えることで、今後どのようなIoMD(IoT医療機器)が必要になるのかを想像し、取り組むことが重要だと話されました。また、IoMDによって実現できることを挙げながら、未来の医療での変化などについてもふれ、ヘルスケア分野での事業開発につながるポイントなどにも言及されました。

質疑応答では、「ヘルスケア分野で注目すべきニュースリソースは?」や「GAFAとの競合関係について、どう考えるのか?」などの質問が、受講者からチャットで寄せられ、それぞれについてご回答されました。

続いて、講演いただいたのが、森ノ宮医療大学 インクルーシブ医科学研究所 所長兼教授であり、専門理学療法士でもある工藤 慎太郎氏です。工藤氏には「これからのヘルスケア業界の課題と5Gの可能性について」の議題でお話いただきました。

まず工藤氏は、現在のヘルスケアの問題点として、「医師や医療機関は院外での患者の情報を知らず、患者は症状が出る前のことを覚えていない」などを挙げ、これが医療の今後のトレンドである「予防医療」においては大きなポイントになると仰っています。それに加えて5Gの普及により、ロコモティブシンドロームや高血圧、アルツハイマー病などの予防医療において、現在出来ることと、今後の可能性ついてもご説明いただきました。

また工藤氏の考えでは、5G時代は個別の身体機能データ(フィジカル、五感、認知機能など)に基づいた質の高い医療サービスの提供が求められ、それをいかにクリアするのかが重要なポイントになるということです。

本セミナーの最後に登壇いただいたのが、ソフトバンク株式会社(法人プロダクト&事業戦略本部 デジタルオートメーション事業第2統括部 法人5G推進室 パートナー企画課 担当課長)の日野行祐氏です。日野氏からは「5G×DX 新規ビジネス創出の可能性」として、5Gをビジネスに活用する際のポイントに絞って、ご説明いただきました。

従来の3G/4Gが人を中心としたネットワークだったのに対して、5Gは産業を中心としたネットワークになるという話から、各産業の課題解決における5Gへの期待は大きく、各業界の課題である人的資源の不足を補うことができる可能性は高いと、日野氏は言います。
また、5Gは企業課題や社会課題の解決に貢献するために、人と人や産業、世界などを「つなぐ」重要なパートを担うものであり、『共創』のキーワードのもと、新しいサービスを実現するために有効活用するべきものであるということで、本セミナーは締めくくられました。

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オンラインセミナーに引き続いて、ヘルスケア分野の第1回研究会を2021年7月28日(水)18時30分~21時の日程で開催いたしました。

本研究会では、まず株式会社Dental Prediction CEO 宇野澤 元春氏から「歯科医師による3D Printing Modelを使用したプレオペの重要性と、5G活用の可能性」と題して、歯科医療の現状と3D Printing Modelを使った同社のビジネスモデルの紹介、そして医療分野での5G活用の可能性について講演いただきました。

宇野澤氏の講演に続いて、研究会では各受講者の5Gを活用したビジネスアイデアを、リーンキャンバスを用いて、ブラッシュアップするワークショップを開催。今回は、理学療法士の資格を持つ森ノ宮医療大学の工藤教授の他、看護、介護などのエキスパートを専門アドバイザーに迎えて、実施されました。

ヘルスケア分野の第1回研究会では6名の受講者が、5G活用をイメージしたビジネスアイデアを発表されました。
ビジネスアイデアとしては、介護用品メーカーが提案する腰痛防止デバイスや、効果的な筋力トレーニングを促すためのビジネスなどが発表されています。それぞれのアイデアに対して、専門家からは現場目線での要望や、マーケティング、資金・人材の確保などについての助言があり、各受講者はその言葉に真剣に耳を傾け、次回に向けてさらなるブラッシュアップを目指すことで、今回は閉会されました。

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第2回研究会は2021年8月3日(火)18時30分~21時の日程で開催されました。

まず研究会のゲスト講師として、2020年にXR技術を使った医療機器ソフトウェアの認証を日本で初めて取得したHoloeyes社の取締役CTOを務める谷口直嗣氏から、「医療分野でのXRテクノロジー X 5Gの実践と未来」のタイトルで、5G X LAB OSAKAと進める医療分野での5G活用と、その未来についてお話いただきました。

フリーランスエンジニアだった谷口氏が医師との出会いにより創業されたストーリーに続いて、手術支援事業を手掛けている同社の事業紹介においては、谷口氏自らが患者となって利用された手術の際の麻酔のMixedRealityを使った支援技術のお話などを披露され、受講者の関心を集めていました。さらに、株式会社ソフトバンク、5G X LAB OSAKAと共同で進めている、5G回線を活用したインプラント手術支援の実証実験についても、詳しく解説いただき、5Gにおけるヘルスケア分野での可能性についても言及されていました。

谷口氏の講演に続いて、第2回研究会では9名の受講者が5G活用をイメージしたビジネスアイデアを発表。前回同様にリーンキャンバスでまとめられたビジネスアイデアに対して、各分野の専門家からアドバイスを受け、有意義なディスカッションの場となり、無事閉会しました。

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取材・文 中西 義富(Office Vinculo)

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