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2021年12月24日研究会

5Gビジネスミートアップ&サロン(製造分野)レポート

この度、ソフト産業プラザTEQS 5Gビジネス創出プロジェクト事務局の主催による「5Gビジネスミートアップ&サロン」が開催されました。

「5Gビジネスミートアップ&サロン」とは、業界インプットからビジネスモデル構築までを一気通貫で行い、5Gビジネスを深堀りするためのプログラムです。本プログラムは業界のトレンドやビジネスポイントを5G活用の視点で情報共有する「セミナー」と、それぞれのビジネスモデルに落とし込み専門家からのアドバイスを受けるワークショップを中心とした「研究会」で構成されます。

テーマごとに年4回の開催を予定し、第1回目は「製造分野向け製品・サービス開発」をテーマにキックオフされました。

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「製造分野向け製品・サービス開発」をテーマとした第1回目は、2021年6月17日(木) 18時30分から、Zoomによるオンラインセミナーで開催。

まず基調講演として、IVI(一般社団法人インダストリアル・バリューチェーン・イニシアティブ)の5G先進活用研究分科会メンバーでもある株式会社フロンティアワンの 代表取締役・鍋野敬一郎氏によって、「製造業 ×5Gビジネス参入のポイント」と題したお話しをいただきました。

鍋野氏からは、製造業界における5Gのトレンドや製造業界向けの5G活用のユースケース、ビジネス参入する際のポイントなどを中心に、約45分間、中身の濃い内容で解説いただきました。キャリア5Gと、ローカル5G、プライベート5Gのそれぞれの特性や活用方法、日本における産業向け5G市場の本格展開の時期など、ビジネスモデルの構築やビジネスチャンスの創出に直結する話も多く、興味深い内容でした。

質疑応答では、受講者より「製造業においてキャッチアップするべき分野は?」「産業分野で強みとなる低遅延に対する信用性」の質問があり、それぞれについて回答いただきました。

続いて、住友電工株式会社 情報ネットワーク研究開発センター 無線システム研究部の大道文雄氏からは「製造業の立場からの5G活用とDX推進の取り組み」のタイトルで、ご講演をいただきました。まず、大道氏は製造業の観点から5Gの特徴『高速大容量・低遅延・多接続』に対して期待する項目を挙げ、実現時におけるメリットなどをご説明。続けて、同社にて研究開発中の5G端末試作機の特長を説明されると共に、現時点で対応可能な処理技術などについてもご紹介いただきました。最後にDX推進の取り組みとして工場のIoT化についても言及し、ソフトバンク株式会社と共同で行っている実証実験などの具体例を交えて、ご説明いただきました。

本セミナーの最後には、ソフトバンク株式会社(法人プロダクト&事業戦略本部 デジタルオートメーション事業第2統括部 法人5G推進室 パートナー企画課 担当課長)の日野行祐氏にご登壇いただき、「5G×DX 新規ビジネス創出の可能性」として、5Gをビジネスに活用する際のポイントに絞って、ご講演いただきました。従来の3G/4Gが人を中心としたネットワークだったのに対して、5Gは産業を中心としたネットワークになるという話から、各産業の課題解決における5Gへの期待は大きく、製造業の課題である人的資源の不足を補うことができる可能性は高いなどの内容をお話しいただき、本セミナーは締めくくられました。

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「製造分野向け製品・サービス開発」をテーマとしたオンラインセミナー開催から1週間後の2021年6月24日(木)には、第1回研究会を実施いたしました。

第1回研究会は、まず製造現場向けのDXサービスを展開している株式会社Mountain Gorillaの代表取締役 井口一輝氏のご講演でスタートしました。同社のオーダーメイド型電子帳票システム『カカナイ』をモデルに、DXサービスが誕生するまでの流れや考え方、リーンキャンバスを使ったアイデアのまとめ方をご紹介いただき、今後の5Gを活用した製造現場向けサービスのビジネスモデル構築のヒントになるお話をしていただきました。
続いて、大阪産業創造館 経営相談室(あきない・えーど)スタッフコンサルタンで中小企業診断士の服部繁一氏が、本研究会でのビジネスモデル構築に活用するリーンキャンバスの作成方法を説明。リーンキャンバスを書く際の狙いやポイントなどについて、わかりやすく解説いただきました。

一旦休憩を挟んだ後、ファシリテーターに中小企業診断士の服部繁一氏、専門アドバイザーに株式会社フロンティアワンの鍋野敬一郎氏、技術アドバイザーとしてソフトバンク株式会社の日野行祐氏に参加いただき、研究会参加者を交えたワークショップを開催しました。

ワークショップでは、参加者がお持ちのビジネスアイデアをリーンキャンバスによって、5Gを活用した製造分野向けのサービスとして形作り、発表。その発表内容に対して、参加者やアドバイザーからのコメントをいただき、ビジネスモデルとしてブラッシュアップを図る取り組みを行いました。今回の研究会には、製造メーカーやソフトウェア開発会社、大学教員など、多彩なジャンルの方が参加しており、さまざまな視点でのビジネスモデルが発表されています。

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2021年7月1日(木)には、第2回研究会を実施しました。

最初の基調講演には、製造業における5Gの活用事例のご紹介として、株式会社フツパー代表取締役の大西洋氏に講演いただきました。同社では、すでに製造分野におけるローカル5Gを使用した実証実験事例をお持ちで、その事例をもとにシステム構成やソリューション方法について詳しく解説いただきました。

大西氏の講演に続いては、前回同様に参加者のビジネスアイデアを具現化するワークショップを開催。

今回は参加者に事前にリーンキャンバスの作成を依頼し、本研究会で発表していただく流れとしました。第1回から継続参加された方においては、前回のアイデアをさらにブラッシュアップした内容をご発表いただき、さらに今回のワークショップでも、アドバイザーやファシリテーターからの専門的な指摘やアドバイスを受けることで、より具体的なビジネスへと進化していく過程を、各参加者で共有しました。

研究会の締め括りとして事務局からは、今回のセミナーや研究会で生まれたつながりをフル活用していただき、より多くの製造分野における5Gサービスが確立されることを期待する旨のコメントがあり、第1回目の「5Gビジネスミートアップ&サロン」は閉会しました。

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取材・文 中西 義富(Office Vinculo)

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