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2018年06月08日実証実験

【実証実験インタビュー】清掃ロボットが人をよけ、商業施設をスイスイ!これが21世紀のお掃除だ!!

 

実施主体
中西金属工業株式会社
http://www.nkc-j.co.jp

実証実験名
自動床洗浄ロボット「ROBO Cleaper(ロボクリーパー)」による機能確認実験

2018年2月19日(月)~23日(金)の期間、中西金属工業株式会社による自動床洗浄ロボット「ROBO Cleaper(ロボクリーパー)」の機能確認実験が、アジア太平洋トレードセンター(ATC)のO’s棟3Fボウリング場跡、ITM棟2F共用部、ITM棟11FおおさかATCグリーンエコプラザ前で実施されました。

 

#今回の実証実験で使用された「ROBO Cleaper」とは、どのようなものですか?
ROBO Cleaperは独立走行機能を持った自動床洗浄ロボットです。構造としては、洗剤と水を混ぜた希釈水をロボット前面のブラシで噴出し、ブラシで床を擦り洗浄、そして汚れを含んだ水を後部で吸い上げ、汚水タンクに格納していきます。従来の清掃ロボットの多くが人の清掃した部分を真似する反復装置に近いものなのに対して、ROBO Cleaperは施設建造物の地図データをプログラミングすることで、走行エリアをロボット自身が決めて、完全自動で洗浄作業を行えるのが特徴です。

私たち中西金属工業株式会社は、ROBO Cleaperの総販売代理店として、2年前から販売を開始しました。また、日本の仕様に合わせた製品のカスタマイズや修理、メンテナンスなども請け負っております。

 

#今回の実証実験の概要と目的を教えてください
2018年2月19日(月)~23日(金)の5日間、ATCのO’s棟3Fボウリング場跡、ITM棟2F共用部などを中心に実証実験を行いました。初日は館内のマッピング調整を行い、2日目以降から本格的に実験を開始しました。

まず今回の目的のひとつが、メーカーカタログに掲載された製品の理論値の検証です。稼働時間や排水量などの最大値の具体的な数値検証には広大な実験スペースが必要なので、これまで当社で行えませんでした。そこで今回はATCのO’s棟3Fボウリング場跡を利用して、バッテリーやタンク内の水が持つ限りROBO Cleaperを稼働させる実験を行いました。

そして、もうひとつが洗浄レベルの数値測定です。こちらも見た目に床が洗浄されていることはわかるものの、実際にどれほど綺麗になっているのかを数値検証できていなかったので、測定機器を用いて床の洗浄前後の数値を測定・検証しました。

 

#実証実験の結果について聞かせてください。
まず理論値の検証ですが、最大洗浄稼働時間が2時間30分~3時間という理論値に対して、バッテリーは3時間5分まで持つことがわかりました。それと少し予想外だったのですが、バッテリーよりも先に洗浄用の水(40リットル)が無くなるということがわかりました。この結果を受けて、現在は洗浄時に使用する水の量を調節する装置の開発を進めています。

もう一方の洗浄レベルの数値測定の結果については、私たちも驚きました。洗浄レベルを測定する場合、汚れの原因となるATP(アデノシン三リン酸)などの化学物質と、試薬を反応させて発光させます。その発光量を表す単位がRLUと呼ばれるもので、この値が高いほど汚れが多いことになります。この数値測定を数箇所で行ったところ、最も変化の大きかった場所では、洗浄前で10972(RLU)だったものが、洗浄後は123 (RLU)まで下がる結果となりました。飲食施設の調理場などは1000以上の数値だと利用できない規定もありますので、123はかなり良い数字だと思います。しかも、連日ROBO Cleaperで清掃することによって、最終的には洗浄前でも1519(RLU)という数値になっていたことには驚きました。

 

#実証実験の感想を聞かせてください。
まず当社のペースで、さまざまなことが検証できたのが良かったと思います。納品時の動作テストをさまざまな場所で何度も行っていますが、それらは現場に合わせて問題なく使用できるかどうかのチェックです。製品性能を検証するだけの機会は、これまで無かったので今回の実証実験は良い時間となりました。ROBO Cleaperを導入済みの企業様や、検討中のクライアント様にもATCにお越しいただいて、良いアピールの場にもなりました。さらに洗浄レベルの数値データはすぐにレポート化し、進行中の商談で提示したところ、クライアント様に対する説得力が増し、良い方向へ進んでいます。実証実験は、来年度も実施されるのであれば、是非とも参加したいですね。

 

#今後の展開と、将来的な目標を教えてください
ROBO Cleaperのようなロボットの導入は今後も進んでいくと思います。これまでは既存顧客であったメーカーの工場などを中心にアプローチしていましたが、病院や介護施設の医療機関や、駅・空港などの交通機関などでも需要が高いことが見えてきましたので、それらの業界にも積極的にアプローチして、販売台数を伸ばしていきたいです。ROBO Cleaperは清掃業界の人手不足の解消や人件費の削減、清掃・洗浄品質の一定化など、利用者にはさまざまなメリットを感じていただけるものなので、もっと多くの分野に普及できればと思っています。

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