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2017年11月18日実証実験

【実証実験インタビュー】ごみの見える化で商業施設の“ムダ”をなくせ!

団体名
積水マテリアルソリューションズ株式会社 商品開発部
http://www.sekisui-ms.co.jp/

実証実験名称
「スマートごみ箱」による効率回収の検証

2017年12月27日(金)~2018年2月28日(水)の期間に、積水マテリアルソリューションズ株式会社による「スマートごみ箱」による効率回収の検証の実証実験が、ATCにて実施されました。

 

 

#今回の実証実験で使用された「スマートごみ箱」とは、どのようなものですか?

当社が企画開発した「スマートごみ箱」は、ごみ箱内のゴミ容量を遠隔監視するシステムです。容量と温度、電池残量を検知するセンサをごみ箱内部に設置し、ネットワーク経由でクラウドにアップされたデータを監視しています。ゴミの容量は超音波センサで検知される仕組みで、小型のごみ箱で取り入れられるのは国内外でも非常に珍しい例です。

「スマートごみ箱」の設置により、ゴミの回収作業をはじめとした業務の効率化と、今後深刻化が予想される人手不足の解消を狙いとしています。

 

#「スマートごみ箱」を開発したきっかけは、どのようなことですか?

私たち積水マテリアルソリューションズ株式会社は積水化学グループの高機能プラスチックスカンパニーに属する会社です。

「ポリバケツ」「ポリペール」というプラスチックス製のごみ容器を日本でいち早く製造・販売してきた歴史を持ちます。それゆえ、この業界の先駆者として、日本のごみ問題を解決するIoT商品の開発に踏み切りました。

また、同時に既存クライアントからの要望や、SigfoxというIoT向けネットワークを取り扱う京セラコミュニケーションシステム株式会社(KCCS)様とのマッチングなどもあり、今回の「スマートゴミ箱」開発が本格的に始まりました。

 

#今回の実証実験の概要と目的を教えてください

2017年12月27日(金)~2018年2月28日(水)の期間で、ATC内にある計18個のごみ箱にセンサを設置し、データ計測を毎日行っています。主な目的は、「スマートごみ箱」を実用化した場合のメリット・デメリット・費用対効果の検証です。

また、センサのセンシングによるごみの計測値と、実際にごみ回収した際の実測値との誤差なども検証しています。
さらに、各ごみ箱の容量を検知する間隔を、10分、20分という形で変更することで、現場における最適なプログラムを構築し、不要な通信を減らして電池消費を抑えるECOな利用方法についても検証していきます。

 

#開発において苦労したポイントは、どこですか?

開発では、技術面やコスト面を踏まえた通信部分がネックでした。その課題に対して、欧州のパートナー企業より新無線通信技術「LPWA(Low Power Wide Area)」の1つであるSigfoxネットワークのことを聞き、日本では京セラコミュニケーションシステム株式会社様がオペレーターとしてサービス提供をされていると知り、すぐにコンタクトを取りました。

Sigfoxは乾電池で数年間稼働する「低消費電力」と、Wi-Fiなどに比べて「低コスト」であること、そして「長距離伝送」が特長となっており、ある程度の広範囲で少量のデータをやり取りする「スマートごみ箱」には最適な通信技術です。

Sigfoxネットワークは、日本ではアップリンクのみの一方向通信しか対応していませんでしたが、実証実験前の2017年11月末に双方向通信対応を開始しました。実証実験では端末側からネットワークを経由して、センサのセンシング間隔の変更を行っています。またSigfoxネットワークはATCのビル内部でも良好な通信を確保しており、新たな通信インフラの設置が不要でした。

 

#実証実験の手応えはいかがでしょうか?

実験開始から1ヶ月(取材時)が経過していますが、小型ごみ箱においても当社の製品は十分対応できています。

ATCで実証実験をしていることで、効率よくデータ収集もできています。 やはり実際にお客様に利用してもらっているのがポイントで、センサの耐久性や液体の付着、防塵、発火の対策など、実利用した場合に起こりうる問題点についても検証できているのは大きな収穫です。

今後は、さらにデータ収集を進めて、精査・分析し、電池の消費量などもチェックしていきます。また現状でごみ容量は計測のみですが、収集したデータに応じてごみの回収時期を予測する機能の必要性も検証していく予定です。

 

#今後の展開と、将来的な目標を教えてください

商品化は2018年度中を目処に進めていき、2019年度の正式リリースが目標です。

製品のブラッシュアップという観点では、屋外や厳しい環境で使用されることを想定した耐久性の強化や、さまざまなゴミ箱の形状に対応する汎用性を高めていきます。またセンシング技術では、ごみ量検知と
温度感知の精度向上や重量などについても検討していくつもりです。

そして将来的には、この「スマートゴミ箱」で培ったIoT技術を他の製品、他の分野への横展開も視野に入れています。

 

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