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2017年11月17日実証実験

[実証実験インタビュー] コンピュータ・ハイテック株式会社 「ロボスタンプ」

企業名
コンピュータ・ハイテック株式会社
https://www.cht.co.jp/chtcom/html/

事業内容
デバイスからクラウドまでIoTをワンストップ対応。
ソフトウェアだけでなく、ハードウェアやロボットを組み合せ、システム全体を提案。

実証実験内容
ロボットを活用したスタンプラリー「ロボスタンプ」
https://teqs.jp/news/2017103015585

 

# 実証実験プロジェクトに申し込んだきっかけ

ロボスタンプは、開発者向けPepperがリリースされた時に、エンジニアの米倉が個人的に興味をもって色々と実験をしていた中で、自社の強みを生かしたサービス開発ができるのではないかという発想から生まれました。

そして、ロボスタンプのアイデアについて顧客に話すと、「面白いね」という反応があったので、具体的に開発を進めることになったのですが、紙やプロトタイプだけではサービスが伝わりにくいことから、開発したものをどこかでお披露目をして、実績をつくりたいと思っていました。

そのような理由で、実践できる場をずっと探していたところ、東京のロボット研究会で今回の実証実験プロジェクトを知り、当社は東京の企業なのですが、これならピッタリだと思って申し込みました。

事業化を担当する高尾氏(左)と技術を担当する米倉氏(右)


# 新規事業のアイデアはどうやって生まれたのですか?

Pepperがソフトバンク社から最初にリリースされたばかりの頃に、遊びの気持ちで「これで何かできないかな」と思い、いろいろと試していたのですが、ロボットを使って万人が楽しめるサービス開発が出来ないか、ということを高尾と気軽なノリで話をする中で、「ロボスタンプ」のアイデアが生まれました。

サービスを開発するにあたっては、単にロボットを動かすのではなく、複数のロボットをネットワークでつないで連携させたいと考えました。

また、当社の得意分野である組み込み技術をサービスに取り入れたいという思いがあり、ハードウェアをつくることができる企業だからこそ、提供できるサービスにしたかったという思いもありました。

 

# アイデアをカタチにするまでに苦労したことは?

当社は普段、組み込みのソフトウェアやハードウェアの開発が主な業務です。

通常の取引先は企業であり、開発したサービスを利用するのは大人なのですが、ロボスタンプはこどもに直接提供するサービス。これまでとは、真逆です。

しかし、制約無くアイデアを詰め込むことができたので、有志で楽しく開発ができていたと思います。ロボスタンプの開発に参加していないメンバーには迷惑をかけたと思うのですが、見守ってくれたのでサービスをつくり続けることができました。

また、これまでの顧客層と違うターゲットにアプローチをする事業をはじめるにあたって、会社の理解を得ることに、当初、苦労はしましたが、カット&トライをしてサービスを生み出すことは必要なことだと考えています。

 

# プロトタイプから実験まではどのように開発を進めていったのですか?

思いつくままに開発を進めていきました。チームメンバーで「アレがよい」「コレがよい」と議論をしながら、各人が良いと思うアイデアを実装し、時には、朝になったら新機能が追加されていた、ということもあります。

考えながら、システムも、ハードウェアもつくりあげていきました。

※初期のプロトタイプ

今回のように、「自分たちがつくりたいものをつくることができる」環境は、現場を活気づけました。 半年前は、まだプロトタイプだった製品が、リリース1ヶ月前に開発の集中力がグッと高まり、一気に完成したんです。

自分たちが考えたことを、ひとつずつ積み重ねながらどんどんかたちになっていく開発は、やはり楽しく、メンバー全員がそういう気持ちで開発が出来たと思います。

また、「どうしたら、こどもに楽しんでもらえるか」、という点について考えを重ねた経験は、提案力を鍛える良い機会にもなったと思います。

※11月の実証実験では、Pepper(ソフトバンクロボティクス社)5台、RoBoHoN(シャープ社)4台が連携したスタンプラリーが完成

 

# 実証実験プロジェクトに、どんなことを期待していますか?

自分たちは良いサービスになるように開発をしてきましたが、本当に、こどもが喜んでくれるかどうかが見たいです。こどもに向けたサービスを開発したのがはじめてなので、そこが一番気になります。

技術的にいえば、ロボスタンプは複雑なことをしています。大人向けのサービスであれば、その技術内容が評価されますが、こども向けのサービスでは、技術内容は評価対象ではなく、最終的に「スタンプを押す」「ロボットがしゃべる」ことで楽しんでもらえるかどうかがすべてです。

技術屋は、技術を語ることはできますが、技術を知らない人に説明することはすごく苦手。
ロボスタンプは、「製品」ではなく「サービス」です。
技術が見えてしまったら、失敗なのかな、と思っています。

また、今回、PepperとRoBoHoNがスタンプラリーの各所にいます。
我々としては、ロボットそのものに興味をもってくれるのではないかと思っていますが、実際はわかりません。

こどもは素直なので、どんな反応がかえってくるか、大変楽しみです。

 

# 実証実験を経て、どのように事業を発展させていきたいですか?

今回、結果がよければ、サービスとして市場に出していきたいと考えています。

ロボットは感情を加えることができるので、まだまだやりたいことはたくさんありますし、
当社の場合、ハードウェアの拡張をして、さらにサービスを発展させることができます。

また、自分たちでサービスを考えた経験は、サービスリリース後にも生きていくと思うので、これからも、このサービスをもっと良くして、ご利用いただくみなさんに楽しんでもらえるように、開発を続けていきたいですね。

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