2014年05月08日聴講セミナー
プロジェクションマッピングにみる「空間演出」のこれから開催報告
4月25日にイメディオ・トレンドセミナーとして、『プロジェクションマッピングにみる「空間演出」のこれから』を開催しました。
40名近い方が参加しての開催となったセミナーでは、株式会社ネイキッドの代表取締役・村松亮太郎氏が講演を行いました。
■セミナー
村松氏の自己紹介もそこそこに、ネイキッドが手掛けたプロジェクションマッピングの動画を見ながら、各イベントの集客数、プロジェクションマッピングのテーマや制作中のエピソードなどを語るスタイルでセミナーは進んでいきました。
1.プロジェクションマッピングをはじめとした空間演出ポイント
まず最初に、東京ミチテラス2012での3Dプロジェクションマッピング「TOKYO HIKARI VISION」の動画を見ながら、このイベントで上映が中止されるほどの賑わいを生み出した結果、プロジェクションマッピングという言葉そのものが一般的になったこと、さらには実際の現場でのエピソードなどが語られました。
「TOKYO HIKARI VISION」が注目されたのは、プロジェクションマッピングの技術に注目されたのではなく、体感の新しさが大きな反響を生んだ、と村松氏。
実際に「TOKYO HIKARI VISION」以前のプロジェクションマッピングは、どちらかというと建物に投影するCG動画の技術を見せようとする「技術色が濃い」ものが多かったそうです。しかし、村松氏自身が映画制作やテレビ番組制作に関わっていた経験から、「エンタテインメント色が濃い」プロジェクションマッピングを制作したことで、多くの人々にこれまでにない新しい体感を提供できたといいます。
2.クリエイティブ時に押さえているマインド
村松氏がプロジェクションマッピングを制作する際に、意識している3点について解説がありました。
1.ストーリー性
プロジェクションマッピングは映画に近いと考えており、常にストーリーが必要であり重要。技術やグラフィックを見せる「理系的思考」ではなく、作家性、エンタテインメント性を重視する「文系的思考」で制作しないと、通りすがりの人々に、屋外で立ったまま5〜10分間の動画を見続けてもらうことは絶対に不可能。
2.環境
プロジェクションマッピングにとって、投影場所周辺が明るいことが最大の敵であり、投影場所周辺の明るさが作品のクオリティに大きく影響する。また、投影する建物の表面の材質や投影する建物そのものにコンテンツ力があるかも作品のクオリティに大きく影響する。
3.ハードウェア
広大な壁面に巨大映像を鮮明に投影する機材をはじめとしたハードウェア、それをコントロールするソフトウェアも作品のクオリティを向上させる要素として非常に重要。巨大な立体物に対して、いかに明るく鮮明な動画を投影できるかが、作品のクオリティに大きく影響する。
さらに、村松氏が手掛けたプロジェクションマッピングの動画を見ながら、セミナー参加者の質問に答えたり、制作時のリアルなエピソードが語られていきました。印象的だったのは「体感をどうデザインするか」というエンタテインメント的発想にソフトとハードが組み合わさった『総合力』が重要だという言葉でした。
3.世界へ向けた活動
村松氏はプロジェクションマッピングを加えたトータルな空間演出を武器に、世界各地で様々なプロジェクトに関わっています。
例えば、街全体をプロジェクションマッピングしたり、都市そのものをひとつの空間として演出する試み。屋外のみならず室内でプロジェクションマッピングを見せることで、新たな効果を生み出そうとする取り組みも行われているとのことでした。
■マッチング会&交流会
セミナー後、交流会を開催しました。
セミナー参加者の多くが交流会に参加し、村松氏と名刺交換、具体的な相談や質問を行っている参加者が多くいました。別会場では、株式会社ネイキッドのプロデューサーとの相談、マッチング会が開催され具体的な実績や案件について相談していました。
また、セミナー参加者同士の交流も盛んに行われ、盛り上がった会となりました。