【イベントレポート】ATCロボットストリート レポート 2023年10月28日(土)、29日(日)
2023年10月28日(土)、29日(日)の2日間、大阪・南港の複合商業施設ATC(アジア太平洋トレードセンター)で、『ATCロボットストリート』が開催されました。
『ATCロボットストリート』は、最新テクノロジーを体験することで、楽しみながら学び、未来社会と出会い、そして考えることをコンセプトとしたイベントです。次世代を担う子どもたちに、最新テクノロジーをみて・ふれて・まなんでもらうことで、これからの社会課題について親子で一緒に考える機会になることを願っています。
本イベントにおいて公益財団法人大阪産業局(ソフト産業プラザTEQS)は、ITM棟2階の「タッチ&プレイ」エリアやITM棟3・4階での「ワークショップ」などの企画・運営に携わりました。
ITM棟2階/「タッチ&プレイ」エリア
ITM棟2階のセントラルアトリウムに設けられた「タッチ&プレイ」には、“みて・ふれて・まなぶ”ことができる20種類以上のブースを出展。ブースは「未来のバーチャル技術」「未来のヘルスケア」「未来のテクノロジー」「未来のモビリティ」の4つに分けられています。どのブースでも不思議そうに展示物を眺めたり、大はしゃぎしながら体験ゲームを楽しんだりする子どもや大人たちの姿が多く見られました。
その他、ITM棟2階では毎年白熱の戦いで人気を集めている『ロボファイト』や、移動ロボットや遠隔操作ロボなどのデモ&体験エリアも設置されており、たくさんの人々が足を止めてロボットたちの動きに興味を示していました。
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ブース紹介
小人になってほねをあつめよう!「VRわんわんパニック」
株式会社タニスタ
テレビ番組のCG制作などで実績を持つ株式会社タニスタ出展の「VRわんわんパニック」。VRゴーグルを装着すれば子犬にまたがった感覚で、仮想空間の室内を縦横無尽に動き回ることができるゲームです。2分以内に“骨”を拾い集めるゲームや子犬に乗って仮想空間内で自由に動き回ることで、VRの世界に触れることができます。今回の出展目的としては操作性やゲーム性などを実体験してもらい、どんな反響があるのかを知りたいとのこと。「ほとんどの人が楽しんでクリアされました。ただ簡単すぎて、あっさり終わる人もいるので、その辺りの調整が必要ですね。前回は小さなお子さんが両手にコントローラーを持てなかったので、今回はワンコントローラーに変更しました。その結果、今回は小さなお子さんにも楽しんでもらえたのが良かったです」と担当者は話されていました。
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歩くだけで最適な運動メニューがわかる「WalkCare」
TRI&TRY×森ノ宮医療大学×フォーカスシステムズ×TOPPAN
TEQS主催の「5Gオープンイノベーションプログラム xDrive(クロスドライブ)」によってマッチングし、4社合同で開発された『WalkCare』。ふくらはぎに装着したセンサーから歩行状態を自動で評価し、その結果から個々に合わせた最適な運動メニューを提案してくれるサービスです。「子どもにも体験してもらいたいですが、実際には一緒に計測される30~50代の親御さんに、自分の歩行年齢を知ってもらうのが狙いです」と担当者さんが話す通り、ファミリーで一緒に体験する方々の姿が目立ちました。2024年4月頃を目処にサービス開始予定で、今回のようなイベントを通じて体験したもらった親御さん世代が働いている企業などに向けてアプローチしていきたい、とのことでした。
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ベンチ型の「PARTNER MOBILITY ONE」に乗って新しい移動体験
Le DESIGN
体験希望者で順番待ちの列が出来ていたのが、ベンチ型の移動モビリティ「PARTNER MOBILITY ONE」。約3名までが横並びで一緒に座りながら、ゆったりと流れる風景と共に会話を楽しめるのがコンセプトの自動運転モビリティで、すでに佐賀県のテーマパークなどで運用されているものです。屋外ではGPSで位置情報を取得して移動し、屋内ではルート作成することで規定のコースを自動で移動してくれます。「将来的には移動に不安を抱える高齢者や障がい者の方が、安心して観光やショッピングなどの外出を楽しめるモビリティサービスに成長させたいですね」と担当者さんはお話されていました。
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オリジナルストーリーで楽しく学ぶAI搭載学習アプリ「かんじぃPT」
株式会社LearnMore
株式会社LearnMoreが出展していたのが、AI搭載学習アプリ「かんじぃPT」。体験者となる子どもたちが自分の好きな漢字をいくつか選択すると、ChatGPTを搭載した「かんじぃPT」が、選んだ漢字を使ったオリジナルストーリーをすぐに作成。さらにAI生成画像などによってイラストも描き起こしてくれて、世界に一冊だけの絵本があっという間に完成します。「漢字のレベルはお子さんの年齢に合わせて用意しています」と担当者さん。少し待てば製本してもらえる絵本には書き込みスペースもあり、漢字の勉強にも使えます。当日のブースでは真剣に自分の好きな漢字を探している子どもたちの顔が印象的でした。
ITM棟3・4階/「ワークショップ」エリア
ITM棟3・4階では、子どもたちが実際に見て・触れて・考えて・創りながら楽しめる、多彩な「ワークショップ」が開催されました。PCやタブレットによるプログラミングやモノづくり系、体験系、人気ゲーム『マイクラ』を題材にしたものなど、全16プログラムを用意。昨年に引き続いて、今年度もほとんどのブースが事前予約の段階で満席となり、一生懸命に取り組む子どもたちの熱気で溢れていました。
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ブース紹介
ピアノの5倍習得が速い楽器『ParoTone(パロトーン)』
eMotto株式会社
ピアノのような鍵盤を持ちながらも、その習得時間が約5倍速いというテクノロジー楽器『ParoTone(パロトーン)/特許出願済』が体験できるワークショップ。この楽器では音楽理論によって考えられたボタン配置と、楽譜を覚えることなくゲーム感覚で演奏できる仕組みで、ピアノで弾いたような音色を簡単に出すことができます。「今日の体験者では右手でメロディ、左手で伴奏が出来そうなお子さんがチラホラいたり、親御さんや保護者さんと一緒に連弾演奏したりして、楽しんでくれていました」(ワークショップ担当者)。本サービスはクラウドファンディングにて支援者を募集しており、1回目で600万円、2回目で700万円を達成済み。今後は一般販売に向けて準備も進めていくそうです。
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かいじゅうロボットを作って、プログラミングしてうごかそう!
円谷プロダクション株式会社/株式会社e-Craft
かいじゅうロボットづくりを通して、プログラミング的思考を体験してもらうワークショップ。体験者は“応援するかいじゅう”をテーマに、用意された段ボール、紙コップ、割り箸などで、思い思いの創作かいじゅうをデザイン。それらを、ものづくりプログラミングロボット「embot(エムボット)」を使ってプログラミングして、動かしていきます。タブレットを使用した直感的なプログラミングスタイルなので、子どもでも簡単です。「子どもは本当に発想が自由で、僕たちが考えていないような面白い動きをさせていました。子どもに楽しんでもらうだけでなく、そばにいる親御さんにも子どもさんのアイデアや発想のスゴさに気づいて欲しいですね」とワークショップ担当者さん。
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取材・文 中西 義富(Office Vinculo)