IoTスタートアップセミナー『IoT・ロボットビジネス成功へのアプローチ-2018-』(2/3)
続いて14時20分からはロボットスタート株式会社の取締役であり、ロボスタ編集長でもある望月亮輔氏による「IoTビジネスをロボットとスマスピから考える」をテーマにした基調講演がスタートしました。望月氏の所属するロボットスタート株式会社のオフィスには70体以上のロボットがあり、毎月ロボットに関するイベントを多数開催しており、各メディアでも注目のベンチャー企業として取り上げられています。
望月氏は、まずIoTの定義について解説。モノのインターネット化により「あらゆるモノからデータ取得が可能」で「モノの遠隔操作が可能になる」という特徴を挙げられました。同社で作成した「IoTデバイスマップ」には330デバイスが掲載されており、その中からいくつかのデバイスを紹介されました。
磨き残しやブラシの強弱などをサポートする「IoT歯ブラシ」や、回転数がわかる「野球ボール」、電子タグで位置がわかる「スーツケース」などを例に、これからは身の回りにあるほとんどのモノがインターネットにつながる時代となり、そこに大きなビジネスチャンスが潜んでいるとのことです。また、それらの数あるデバイスの中でロボットスタートでは、「スマートスピーカー(スマスピ)」に注目されています。
その理由として挙げられたのが、現在、Amazon、Google、LINEなどの各大手IT企業がこぞってスマスピの販売を行っており、実際にスマスピを購入した人の約半数が、購入後に初めてIoTデバイスも購入した統計データが出ているとのことでした。これによりIoTデバイスのスマスピ対応が進み、逆に対応しないデバイスは取り残される可能性があるという話です。
続けて、スマスピの特徴について解説し、「音声による指示と回答」「インターネット接続」「スピーカー機能」「情報収集」「安価」などを挙げられました。中でも情報収集においては、今後音声を使った検索が、全体の50%になるというデータもあるそうです。
スマスピにおける最新調査では、2018年に全世界で5630万台となり、アメリカでは年々利用者は増えており、今後成長する市場であるとのことです。また販売される国も増えることで、タブレットデバイスの出荷台数を上回る可能性も高いと考えられています。さらにアメリカの例では、主婦層の66%が音声アシスタントを使用し、23%がスマスピを活用しているデータもあり、生活に中で利用されるシーンが増えることが予想されるそうです。
さらにスマスピによるビジネスチャンスを解説。スキルの開発と流通が簡単に行えることから、現在のビジネスでの活用例として、ドミノピザでは注文が簡単に行えることから売上が増加した例や、Uberでは一言で配車が可能となり依頼数が増加している例などを挙げられました。
スマスピの普及によりIoTの普及も進むと予想されています。スマスピ自体もディスプレイ付きのデバイスや、首に掛けて使用するタイプも登場しており、今後も変化を遂げていくとのことです。その変化のひとつではアニメキャラクターのデザインをまとったスマスピもあり、よりコミュニケーションロボットとして活躍すると考えられています。またコミュニケーションロボットの特徴として、人型であり人がコミュニケーションを取りやすいデザインであることを挙げられ、将来的には人間と機械のハブ的な役割を果たしていくと予想されています。
続けて望月氏は、ロボットビジネスの参入企業が増えている理由として「高性能ロボットの低コスト化」「データの価値向上」「人手不足」と定義されました。さまざまなセンサーやカメラを付属するロボットは、情報取得に最も適したデバイスであるという見解を述べられました。最後に、IoTビジネスのアイデア例を、いくつかセミナー会場の皆さんに発表され、盛況の中、今回の基調講演を締めくくられました。
IoTスタートアップセミナー『IoT・ロボットビジネス成功へのアプローチ-2018-』(1/3)
IoTスタートアップセミナー『IoT・ロボットビジネス成功へのアプローチ-2018-』(2/3)
IoTスタートアップセミナー『IoT・ロボットビジネス成功へのアプローチ-2018-』(3/3)