17/8/9 3日目 基礎講座「ハードウェア編 -Mbed(エンベッド)の仕組みを学び、試作体験!-」
Mbedとは? 3時間の試作体験スタート!
こんにちは。AIDORアクセラレーションプログラム、広報 佐藤です。
AIDORアクセラレーションプログラムも3日目になりましたが、これまでの2回は講座形式の座学。今回は初の実技です。
実習の開始は平日の18時からなので、仕事帰りに参加する方も多くいました。全力で日中お仕事をした後、さらに集中して試作にチャレンジするというハードなスケジュールですが、受講者のみなさんは意欲に溢れています。
実習内容は、Mbed(エンベッド)を用いたIoTプロダクトの試作品のつくり方。試作品と言えば、Arduino(アルドゥイーノ) や Raspberry Pi(ラズベリー パイ) 、IchigoJam(イチゴジャム)なども有名ですが、Mbedを使用するのには理由があります。
それは、「ソフトウェアが流用しやすい」ということ。講義の資料から引用すると「製品向けのソフトウェア開発を行う場合もプロトタイプした資源を流用可能」であることに、Mbedを使用する大きな利点があるそうです。
Mbedについての詳細は、講座の教材の一部として提供された、講師の勝 純一氏(@jksoft913)による下記ページを是非ご覧ください(資料ページの下段にある「参考になるリンク」のご確認もお忘れなく)。勝先生、教材シェアのOK、ありがとうございます!
資料はこちら:https://developer.mbed.org/users/jksoft/notebook/0809note/
勝 氏はこれまで多くのIoT作品を制作しており、代表的なもののひとつに「うおーるぼっとBLE」という、スマートフォンと連携し、壁を走ることもできる手のひらサイズのロボットがあります。このロボットは、クラウドファンディングで成功もしています。
「うおーるぼっとBLE」のクラウドファンディグサイトはこちら:https://www.makuake.com/project/wallbotble
なにはともあれ動かしてしてみよう!
セミナー開始から10分後、まずは実際にMbedを動かしてみることに。
Mbedは、構築済みの開発環境がクラウド上で提供されているため、試作の最初のステップがクリアしやすい、という利点があります。
いわゆる、LEDをチカチカさせる「Lチカ」は、セミナー開始15分後には成功。
そこから各自が15分間、Lチカのプログラムを改変しながら、動作チェックをしていきました。ここで重要なことは、トライアンドエラーでプログラムを試していくこと。
ソフトウェア開発に慣れている方は、たくさんテストプログラムを書き、質問をしたい人は講師やティーチングアシストに、自由に声をかけて疑問を解消し、理解を深める時間となりました。
実際に自分で書いたプログラムをMbedのプラットフォームにアップロードする、他の人が書いたコードを読む、といった実習を行い、次にMbedに照度センサーをつなげてインターネットを介してデータをサーバに送り、Web上でデータの様子をチェック、最後に、ブラウザからセンサーをコントロールする、といったエッジデバイス×クラウド側でのデータ処理の流れを一通り体験しました。
講義を通して
今回は、初の実習。受講者のソフトウェア開発スキルは各自バラバラですが、受講者同士でコミュニケーションをとりながら、あたらしい試みにチャレンジし、最後まで進めることができました。
講義後に、「プロトタイプ」開発の重要性について、勝先生にお聞きすると、次のポイントを教えていただきました。
- IoTのビジネスをスピードアップするには、「動いて確認できること」が大切!
- 具現化できれば、プレゼンして、商売になるかどうかがわかる。
したがって、「とにかく動くものを、速くつくること!」が、IoTのビジネスを考える上では重要であると言うことができるのではないでしょうか。
また、製品を量産する場合、プロトタイプと量産では設計が異なることから、多くケースで見積もりが甘くなることが多いようです。しかし、プロジェクト始動段階から、こうした認識をもっておけば、後から躓くことが少なくなるはず。こうした経験豊富な専門家による知見も、新しく挑戦する事業にはとても大事ですよね。
ともすると、「一日でプロトタイプ作成」は、「それで何が身につくの?」と思ってしまいそうですが、「実際にどういうツールを使えばプロトタイプをつくることができるか」を知り、「プロトタイプを活用するための考え方」を学びながら試作体験したことは、受講者のみなさんの事業のステップアップにつながるだけでなく、これから実施するクラウドサービス編の座学と実習においても、クラウドの活用方法がより具体的にイメージしやすくなったのではないかと思います。
次回は、土日の2日間連続で行われるビジネスデザインワークショップです。各チームの事業アイデアを整理し、リーンキャンバスを作成します。
今回の実習を通して得たチームワークで、よりよいワークショップが実施されること間違いなしです!