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お知らせ

2018年12月11日

【報道発表】「その広告、本当に伝わってる?」南港ATCで機械学習によるデジタルサイネージの視線推定実験を実施します

ソフト産業プラザTEQSが運営するIoT・ロボットビジネス実証実験支援事業「AIDORエクスペリメンテーション」で、このたび、大阪大学大学院情報科学研究科・菅野裕介准教授によるデジタルサイネージを使った集合的視線推定システムに関する実証実験を実施いたします。それに合わせて、12月11日に大阪市より報道発表を行いました。

————以下、報道発表内容—————

 大阪市(委託先:AIDOR共同体)は、大阪大学大学院情報科学研究科・菅野裕介准教授によるデジタルサイネージを使った集合的視線推定システムに関する実証実験
を、平成30年12月15日(土曜日)から12月24日(月曜日・振替休日)まで大阪南港の複合商業施設「アジア太平洋トレードセンター(ATC)」にて実施します。

 視線推定とは、人がどこを見ているかを計測・推定する技術です。同准教授が開発した機械学習(注1)による視線推定技術は、Webカメラ、監視カメラなど一般に普及しているカメラの画像から人の視線を推定することができ、個人ごとのキャリブレーション(注2)なしで視線推定やデジタルサイネージへのアイコンタクト検出が可能となります。

 本技術は教育分野やセキュリティ分野など様々な分野での応用が考えられますが、今回は、デジタルサイネージを活用した広告・マーケティング分野での機能検証を行います。具体的には、施設やイベント案内などを目的に設置されているデジタルサイネージに本技術を組込み、人が行き交う実際のサービス現場で視線推定が可能かを検証します。
 今後は、実証実験を通して得た評価をもとに広告・マーケティング分野での実用化に向けて取り組んでいきます。

なお、本実証実験は、大阪府、大阪市、大阪商工会議所が一体となって実証実験を支援する「実証事業検討チーム」へのエントリーを受け、ATCとの調整を経て「AIDORエクスペリメンテーション」として実施に至ったものになります。

注1:機械学習とは、経験を通して人間が自然に行っている「学習すること」をコンピューターにさせようとするデータ解析手法。
注2:キャリブレーションとは、対象に合わせてシステムを調整すること。
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■実証実験概要
<実施名称>
集合的視線推定システムに関する実証実験

<実施主体>
○大阪大学大学院情報科学研究科・菅野裕介准教授
○研究科所在地:大阪府吹田市山田丘1-5
○研究概要:コンピュータビジョン、ヒューマンコンピュータインタラクションに関する研究に従事。特に視線や注意など人間の状態を認識するための認識技術とその応用に注力しており、認識のための基礎的な手法の研究から、新しい応用のためのシステム提案・ユーザ評価まで一貫して手がけることで、各領域を跨ぐ研究活動を行っています。
詳しくは、菅野准教授のホームページをご覧ください。

<機械学習によるカメラ入力からの視線推定技術について>
本技術の特徴は、大規模な顔画像データに対して機械学習の一種である深層学習を適用することで、個人ごとのキャリブレーションを行わずに人物の3次元的な視線方向を通常の市販カメラから推定できる点にあります。従来の視線推定技術と比べて、必要なデバイスがカメラのみで専用のハードウェアを必要とせず、対応可能な入力解像度・検出可能な人の頭部姿勢の範囲が広い利点があります。

【新技術の特徴】
・個人キャリブレーションなしで画像のみから視線方向を推定
・街頭ディスプレイにおける集合的な注視を計測するためのメカニズム
・アイコンタクト検出器を自動的に学習するための手法

【想定される用途】
・街頭ディスプレイ等のマーケティング調査
・コミュニケーションロボットなどへの応用
など
<実施期間>
平成30年12月15日(土曜日)〜12月24日(月曜日・振替休日)

<実施場所>
アジア太平洋トレードセンター ハーバーアトリウム(ATC ITM棟2F)

<本実証実験に関するプライバシーポリシー>
専用ホームページに収集・管理等について記載していますのでご覧ください。

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本研究は、JST CREST、JPMJCR14E1の支援を受けたものです。
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(参考)「実証事業検討チーム」について
大阪市では、大阪府、大阪商工会議所とともに「実証事業検討チーム」を今年5月に設置しています。同検討チームでは、3者が緊密に連携し、「未来社会の実験場」の実現をめざす2025年万博に向けて、実証事業支援の取り組みを積み重ね、大阪における新たなビジネス創出に取り組むとともに、その一環で実証事業案件の発掘・対応を行っています。詳しくは大阪商工会議所のホームページをご覧ください。