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vol.12

3Dプリンターが日常にある世界を創りたい!

(株)ロイスエンタテインメント
廣瀬 勇一氏

(株)ロイスエンタテインメント
廣瀬 勇一氏

「まずやってみよう」から始まった3Dプリンター事業

3Dデザインや3Dプリンターによる試作品製作、3Dフィギュア製作、さらには教育やセミナー講演などを行う株式会社ロイスエンタテインメント

3Dプリンター事業への取り組みは、知識や技術があるわけではなく、廣瀬氏の「やってみようかな」という気持ちがきっかけだった。
「当時、アメリカで3Dプリンターがブームになっていて。事業の将来性も見えませんでしたが『面白そうだし、まずやってみようか』と」

現在、3Dプリンターを活用した事業は、フィギュア製作と試作品製作がメイン。デザインから製品の完成までワンストップで行える体制を構築しており、フィギュア製作はウェディング関連からの依頼、試作品はメーカーや工場からの依頼が多い。
「3Dプリンターは、データがあってもお客さまに提供できるレベルの製品を作るのは難しい。当社では、3Dプリンターで制作したフィギュアを製品販売できるレベルまで到達させるのに6カ月以上掛かりました。それだけノウハウが必要なんです」

これからはモノではなくデータが売買される時代になる

イメディオ入居前から「大阪3Dプリンタービジネス研究会」を自ら立ち上げ、最新情報の共有や3Dプリンターを活用した新しいビジネスの研究、ビジネスモデルの創出を目指す廣瀬氏。
「現在、160人以上のメンバーが研究会に登録しています。3Dプリンターにまつわるビジネスをみんなで考えることが市場の創造や拡大につながり、それが普及や普及スピードのアップにつながると思っています」

さらに2014年10月には「メイカーズバザール」を主催。関西の50組以上の「モノづくり人間=メイカーズ」が集まり、イベントは大盛況だった。
「実はメイカーズバザールは、大阪3Dプリンタービジネス研究会の次のレベルの取り組み。3Dプリンターで作れるのは筐体などの外側だけで、動かしたり制御する内部の電気的、機械的な仕組みが加わらないと製品にはなりにくい。そこで、3Dプリンターで外側を作る人と、電気的、機械的な内側を作る人が出会う場として開催したんですよ」

メイカーズバザールの開催は、3Dプリンターを使った製品の普及に一歩近づいたということ。これから廣瀬氏は何を目指すのだろうか。
「3Dデータをデザインできるデザイナーとの関係を広げ、どんどんネットワークしたい。これからはモノではなくデータが売買される時代になる。3Dデザイナーがデザインしたデータを販売するサイトを作りたいですね」

イメディオなら3D関連のアレコレを南港に集積できる!?

廣瀬氏のイメディオとの出会いは、「大阪3Dプリンタービジネス勉強会」で会場を借りたことがきっかけだった。
「ご縁を深めるうちに、先日主催したメイカーズバザールのような取り組みをビジネスの形にまで到達させるために、イメディオに入居して密接な関係を築きながら進めようと考えました」

イメディオには、3Dに関する物事を大阪・南港に集積させるような仕掛けも可能なほど、素晴らしいハードが揃っているという。
「施設がきれいな上、PCトレーニングルームやセミナールーム応接室などが充実しています。しかも、スタッフの人たちはやりたいことやイメージしていることを伝えれば面白がってくれて、積極的に協力、サポートしてくれる。最高の環境ですね(笑)」

他の入所者とのコミュニケーションも進み、廣瀬氏自身がビジネスに取り組む中で大切にしている『面白そうな人がいたら、とりあえず仲間にする』を実行しながら、着実にネットワークを広げている。最後に、今後の展開について話をうかがった。
「シンプルな目標としては、3Dプリンターで作られた良い製品を5~10個ぐらい生み出すこと。いくら3Dプリンターが普及しても、一般の人々には関係がない話。すごい製品をすごく安い価格ですぐに提供できる、そんな環境を3Dプリンターで作らないと、世の中は変わりませんからね」

「メイカーズバザール大阪2014」開催レポート
「メイカーズバザール大阪vol.2」2015年6月27日(土)28日(日)開催


reeddesign
入居期間 2013年4月~2016年7月

※本インタビューは入居期間中に実施されました。

掲載日 2014年12月24日
取材・文 株式会社ショートカプチーノ 中 直照