vol.09
『物流+エネルギー』でナンバーワンを目指す!
大化物流開発合同会社
入江 徹氏 |
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大化物流開発合同会社
入江 徹氏
物流管理システム開発からエコエネルギーシステム開発への挑戦
大化物流開発合同会社は、物流管理システムの開発をメインにするシステム開発会社だ。代表取締役の入江徹氏によると、現在11人が所属する同社も、起業当初は3人からのスタートだったという。
「多数のシステム会社の中で生き残るには、何かに特化しなければならないと考えました。3人とも経験していた物流システムに特化するべく、社名に『物流開発』の文字を加えて起業したんです」
根底にあったのは『お客様に感謝される仕事をしたい』という思いだった。
「技術者はお客様の困りごとを解決する仕事。良い仕事をしたら必ずお客様から『ありがとう』と言ってもらえる仕事なんです。業界を知った上で作るシステムじゃないと、本当に使う人の立場に立ったシステムは作れない。結果的に『ありがとう』と言ってもらえない、と考えたんです」
こうして物流管理システムに特化する形で起業し、順調に成長していった大化物流開発。すると、縁あって『咲洲・アジアスマートコミュニティ協議会』という次世代のエコエネルギーについて研究・活動する団体に加わることになった。
「大阪市や、大阪市立大学、大手民間企業が参加する団体です。ここで、スマートコミュニティでのエコエネルギー分配システムの開発にお声掛けいただき、開発を担当することになりました」
物流とエネルギー、まったく異なるフィールドのように感じるが、大きな共通点があるという。
「物流は送り手と受け手がいて、物流管理システムはその間に発生する距離を限りなくゼロに近づけるのが役割。エコエネルギーシステムも同じで、作って余ったエネルギーを誰かに渡したい人とそれを受け取りたい人がいて、両者を効率よくマッチングしてロスを限りなくゼロにする。意外に共通点があったんです」
人に会える場所、イメディオ
前職では東京勤務が多かった入江氏。大阪で事業を始めるにあたり、人的ネットワークを早急に構築する必要があった。
「人に会わないと物事は進まないというのが私の主義。放っておいても人に会える場所、そこにいるだけで誰かと情報交換できる場所に事務所を構えようと考えていました。そこで考えたのがインキュベーション施設。その中でイメディオを選びました」
入江氏の考え方を具現化していたというイメディオ。スタッフからの情報はもちろん、入居企業同士の情報交換も活発で、実際にビジネスでのコラボレーションも発生しているという。
「事務所内ですべてが完結するのではなく、いろいろな人から声を掛けてもらえる。また、自分ができないことをできる人、自分が知らないことを知っている人に会えます。例えば、当社はUIデザインが得意ではないので、イメディオ内のデザイン会社さんにお願いしています。パートナー企業に出会えたのは、イメディオに入居した大きな成果だと思います」
「ありがとう」のひと言こそ、すべての原点
大化物流開発は、人材教育も一風変わっている。
「趣味のサバイバルゲームを人材教育に活用する試みにも取り組んでいます。もともと遊びだったのですが、サバイバルゲームはコミュニケーションとリーダーシップ、協調性が必須なんです。そう、仕事と同じなんですよ」
サバイバルゲームは、ゲームを通じて各人の特性や能力が垣間見えてくるのだそうだ。そこで人材教育にも使えるかも、と話が盛り上がった。
「いつの間にかクライアントや経営者仲間も参加したいと言っていただけるようになり、座学とゲームを組み合わせてチームワークとリーダーシップのセミナーを行ったりもしています。物流とは関係ありませんが、スタッフも楽しみながら取り組めているので、良い試みだと思っています」
最後に今後の展開についてお話をうかがった。
「当社のビジネスの根底に流れるのは、お客様に『ありがとう』と言っていただくこと。そのためだから頑張れる。企業内での私は『社長』という役割を持つ一人のプレーヤーにすぎません。私を含めた社員全員が『ありがとう』のひと言を追求し続けて、物流+エネルギーで大阪一、長期的には日本一の会社を目指します」
掲載日 2014年1月29日
取材・文 株式会社ショートカプチーノ 中 直照