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「画像で調べる」技術で、高精度な製造業をサポート!
OLAイメージング株式会社
樋口 徹氏 |
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OLAイメージング株式会社
樋口 徹氏
「画像で調べる」に大きな可能性を感じて起業
OLAイメージング株式会社は、外観検査などに用いる画像検査装置の開発、製造、販売、さらには画像処理システムの開発、販売などに取り組む。当社は、代表取締役の樋口徹氏をはじめ、同じソフトウエア会社に勤めていた仲間同士で起業した。
「起業前に勤めていたソフトウエア開発会社では画像処理装置の開発・販売を担当していましたが、会社のメイン事業は開発者の派遣事業。ソフトウエア開発以外の検査装置製造や販売の部分は、本業とのシナジーも難しいと悩んでいました。そんな時、社長が『独立したらどうだ?』と背中を押してくださって起業を決めました。現在も画像処理ソフトウエア開発者の派遣などで、多大なサポートや協力を受けています」
現在の主力商品である外観検査装置は、携帯電話やデジタルカメラに使う光学レンズ表面の傷や異物混入を検査する。画像検査装置は、食品業界など多くの業界で使われ、非接触、非破壊で表面や内部のチェックができるのが特長だ。また、OLAイメージングでは、外観検査装置で用いる画像処理ソフトウエア開発単独の依頼も請け負う。
「精度の高いセンサーを追求すると、当社製品のような画像処理を用いたセンサーに行き着きます。ただ、このセンサー内のプログラムが非常に難しい。当社は、画像処理センサー内のソフトウエア開発でも高い技術を備えていますから、ソフトウエア開発部分のみの依頼も少なくありません」
イメディオの施設を有効活用し、クライアントの信頼を獲得
そんな樋口氏がイメディオを知ったのは、大阪産業創造館(産創館)がきっかけだった。
「前職の会社で産創館を活用していて、起業時も相談していました。その際にイメディオのことを教えてもらったんです。将来的な事業戦略の中で、ソフトウエア開発部分を強化していきたい思いもあり、イメディオに決めました」
入居した結果、3つの大きなメリットを得た、と語る樋口氏。
「最も大きいのは、施設がしっかりしているところですね。当社は特に会議室をよく利用します。東京や東北の大手メーカーの担当者なども商談で来られますが、設備が整った立派な会議室を自由に使えるのは、本当に助かります」
2つめは、中小企業向けの支援情報を有効活用できるサポート体制が整っていること。
「イメディオ事務局が、当社にマッチしそうな行政の支援情報を積極的に提供してくれます。先日は、提供情報の中にあった助成金事業に応募して採択されました。この助成金採択は、イメディオにいたからこそ得られたものだと考えています」
そして最後が、入居者間の交流だ。
「交流会では、異業種で活躍する入居企業の経営者の方々と話をするのですが、これが非常に刺激的。こうした環境が身近にあるのは本当に貴重だと感じます。こうした多くのメリットのおかげか、間もなく事業拡大に合わせてメインインキュベーションに移転を予定しています」
ソフトとハード、両方の技術を進化させる!
常に技術者である自分と、経営者である自分がせめぎ合っている、と語る樋口氏。
「経営者としては開発コストを考慮して納期を少しでも短くしたい。逆に技術者としては、もっと開発に時間を掛けて要求以上の性能をクリアできるまで出荷したくない。この両方の意識があります。ただ、社内には技術者が多いので、私はあえて経営的な視点をより強く意識していますね」
また、新たな画像センサーのニーズをいち早く取り込み、未来に向けて新分野に挑戦する意欲も旺盛だ。
「新たな挑戦の一つとして、工業用ロボットなどで使う画像処理ソフトウエアやセンサーを開発段階からサポートする取り組みを始めています。ロボットに精度の高い動きをさせるには、画像処理が必須ですから。当社もここを新たなビジネス領域にしたいと考えています」
画像処理に不可欠なカメラが、小型化、省電力化が進んでいるのも、OLAイメージングには追い風だ。
「携帯電話用のカメラよりも小さいカメラが開発されており、当社はそれに用いる極小型レンズの検査技術も確立しています。また、こうしたカメラが普及すれば、画像処理センサーの普及もさらに進むでしょう。同時にこれは、当社のビジネスチャンスが広がることを意味します。今後は極小型レンズ検査機器の販売と、その超小型レンズカメラを用いた画像処理ソフトウエア開発の両方に取り組んでいきたいですね」
掲載日 2013年8月28日
取材・文 株式会社ショートカプチーノ 中 直照