Menu

Interview

TOP > マガジン > 入居者インタビュー > 素材設計 八田 敦司氏
vol.15

小さくてもピリリひと味違う音を届けたい!

素材設計
八田 敦司氏

素材設計
八田 敦司氏

『音』がつないだビジネスのきっかけ

音響に関するソフトの開発・製作、MacやiPhoneなどのアプリ開発・制作を行う素材設計。代表の八田敦司氏は、大手メーカーでプリンターのシステム開発・販売に携わっていた。同じソフトウェア開発でも画像と音では似た部分もあり、違う部分もある。
「音響シミュレーションソフトはまだ開発中なのですが、オーディオを開発する際に効率的な製品開発を可能にするものです。そもそもシミュレーションソフトを開発しようと思ったきっかけは2つあって、ひとつはオーディオが好きだったこと、もうひとつはあるオーディオメーカーと仕事をする機会があり、その時に私の技術がスピーカー開発に役立てられるんじゃないかと感じたことです」

これまでのスピーカー開発は、試作して音を鳴らして修正して再試作……を繰り返して製品化を目指す。そこには職人の勘と度重なる試作が必要で、高い技術や豊富な経験と大きな投資が必要だという。
「開発中のシミュレーションソフトがあれば、この形状ならどんな音が出るかを試作前にある程度までシミュレーションできます。目指すのは、確かな根拠に基づいた商品開発と開発工程の簡略化や低コスト化を可能にするソフトウェア。小規模メーカーでも大企業に負けないこだわりのある音作りができることを目指し、開発に取り組んでいます」

人のつながりが魅力的なイメディオ

勤めていた会社を退社した直後は、いくつかのコワーキングスペースを利用する“ノマド的”な仕事スタイルを試行錯誤していた八田氏。イメディオとの縁も、施設内にある無料コワーキングスペース『コプラ南港』を利用したのがきっかけだった。
「声を掛けてくださったスタッフの方と話の中で、初めてインキュベーションオフィスの存在を知ったんです。見学してみると、コワーキングスペースとは異なる仕事スタイルやつながりができるような気がして入居を決めました。勉強会などを通じてすぐに入居者の方々と仲良くなれましたし、固定のオフィスを持つことで、ノマド的な仕事スタイルとは異なるものが得られると実感しています」

さらにイメディオは、施設外の人々との人脈構築もサポートしてくれているという。
「その道の研究者を紹介していただいたり、話をする機会を作っていただいています。私一人では話を聞いていただけないような人も、イメディオからの依頼なら会える場合もあり、いつも感謝しています」

また、ハード面で入居の決め手となったのは、3Dプリンターなどが自由に使える『Makersラボ』の存在だった。
「3Dプリンターは、ソフトウェアの検証用スピーカーを試作する際に活用しています。また、イメディオで開催される大阪3Dプリンタービジネス研究会にも参加し、交流や情報収集をしています。スタッフの皆様には十分なサポートをしていただき、とても満足しています」

オリジナル性と効率性

これまで、国内外のさまざまな場所で多種多様な仕事をしてきたと語る八田氏。スピーカー開発のためのシミュレーションソフトウェアという分野のビジネスに挑戦する上で大切にしているのは、『ひとつでも何か違うこと』という想いを常に持ち続けることだという。
「大きな技術革新は簡単には起こせるものではありません。しかし、既成概念を捨てて物事をよく考え、少しでも視点を変えることができれば結果的に何か新しい事ができるはず。ぜひ実現したいですね」

最後に今後の展開についてお話をうかがった。
「シミュレーションソフトはまだ開発フェーズで、現在はシミュレーションが正しいかどうかを検証している段階。これから世の中は働き方もモノづくりの方法も情報発信の仕方も変化してくるでしょう。旧来の組織やモノづくりでは難しかったモノ、コト、方法を模索しながらビジネスに取り組みたいと思っています」


素材設計
入居期間 2014年10月~2015年11月

※本インタビューは入居期間中に実施されました。

掲載日 2015年5月27日
取材・文 株式会社ショートカプチーノ 中 直照

関連リンク