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vol.29

当社の技術で、企業や人の想いをカタチにしたい!

株式会社デナリパム
井本 直正 氏 株式会社デナリパム

株式会社デナリパム
井本 直正 氏 株式会社デナリパム

IT業界の川上から川下までの幅広い強み

「当社の技術で、いろいろな企業や人の想いをカタチにしたい。難しく捉えられがちなIT技術を簡単で身近なものにしたい」と話すのは、株式会社デナリパムの代表取締役社長、井本 直正氏。複数の企業で役員や技術顧問などを務め、民間企業だけでなく官公庁の案件にも多く携わった実績を持つ井本氏に、まずはご自身のプロフィールを伺った。
「いわゆるエンジニアとしてIT業界に入り、スーパーコンピューターの運用業務でキャリアをスタートしました。その後は、産業機器などの企画開発・導入支援、ネットワーク設計、サーバーの構築運用など、幅広い分野でIT業界の仕事を経験してきました。現在もAI、IoT、ロボットなどのシステム開発も手掛けており、新技術には常にアンテナを張り続けています」
IT業界の川上から川下まで、あらゆる分野での経験が“豊富すぎる”ゆえに、井本氏には一時期ある悩みがあったそうだ。
「企業支援のメンターの方などに『井本さんの一番の強みは何?』とよく問われることがあったのですが、本当に幅広く携わってきたので、これという一番の強みが見つけられませんでした(笑)。ただ、今となっては経験した事のすべてがデナリパムの事業に活かされているので、『すべてに強い』ということで良いかなと思っています(笑)」

技術力を生かした、三本柱の事業内容

2014年に設立した株式会社デナリパムの事業内容は、三本柱に集約されている。
「一本目の柱は『DX企画・開発支援サービス』です。当社の持つ基幹システムや情報システム、IT、AI、ロボット、IoT、5Gなどの技術を用いて、主に企業様の要望に応える形で、企画から試作開発までを一元的にサポートしています。これまでにも企業様からの要望で、さまざまな制約やハードルがありましたが、技術的に可能なことはすべて対応してきました。当社の方針は『できるか、できないかではなく、やるか、やらないかで考える』です。“やる”と決めたものは、必ずやり遂げます」

「二本目の柱は『スタートアップ支援事業』。当社のスタートアップ支援は、ビジネスアイデアをお持ちの方に対して、MVP(minimum viable product)制作を中心とした開発支援を行っています。『想いはあるがカタチにできない』というスタートアップ企業を技術的にサポートすることで、報酬として株式の数%を譲渡してもらうビジネスモデルを構築しており、現在もすでにいくつかの企業様とお話を進めています」

TEQS入居のきっかけになった研究開発事業

TEQSインキュベーションオフィスへ2020年に入居した『株式会社デナリパム』。事業内容の三本目の柱を本格展開することが、TEQS入居のきっかけにもなった。
「三本目の柱が、現在最も注力している『研究開発事業』です。この事業は、私が培ってきた技術や経験、そしてこれからの先端技術を駆使して、新しい製品やサービスを作り出すものです。この事業を展開するにあたって、自社でのロボット制作が必要となり、作業環境の相談をOIH(大阪イノベーションハブ)にしたところ、TEQSをご紹介いただき、AIDORアクセラレーションプログラムにも参加することになりました」

「研究開発事業の製品でも、イベントでの利用実験や試験運用などを進めています。例えば、JavaScriptで動作するAI技術を搭載した非接触UIシステム『ビジョンコントローラー』や、最大100kgの荷物を時速15kmで運ぶ事を目標にしたマイクロモビリティ『デナホバー』、全長180cmの大型モニターに映るキャラクターを遠隔操作で制御できる、等身大コミュニケーションデバイス『デナポータル』などがあります。これらの製品は、TEQSと隣接している企業向け5G技術体験施設『5G X LAB OSAKA』にも展示していますので、ぜひご覧いただきたいですね」

営業やPRで協力できるブレーンを求めて

最後に、現在の課題と今後の展開についてお話をお聞きした。
「現在の課題は、営業力とPR力の不足です。当社にはITにおける、さまざまな技術、知識、経験があります。しかし、それを正確に周知して理解してもらうのは、なかなか難しいことです。自社サイトやSNSを活用して、日々情報発信していますが、まだまだ足りません。いろいろな企業や人と出会いつながることで、当社の魅力を伝えていく必要があります。また、当社の技術や強みをしっかりと把握していただき、それを必要とする企業様とマッチングしてくれる営業サポートをしていただける方がいらっしゃれば、ぜひお会いしてみたいと思っています」

「今後の展開で、一つ重点的に考えているのは『企画・開発支援のDX展開』です。これまで企業様の企画・開発支援をお手伝いする中で、組織や体制づくりの重要性を感じていました。これからの時代のDXに取り組むためには、組織が変わらなければいけません。若手とベテランが融合し、部門間の垣根を取り除かれた組織に、当社の技術を組み合わせることで、ほとんどのことが実現できると、私は考えています。“人と組織と技術を上手にマリアージュさせる”というテーマで、今後は企画・開発支援に携わっていきたいと思っています」
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