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> susuROBO株式会社 マカチョフ・マキシム 氏
vol.28
ロシア、香港、アメリカを経て、大阪で起業!
susuROBO株式会社
マカチョフ・マキシム 氏
susuROBO株式会社
マカチョフ・マキシム 氏
有名な大学、企業での多彩な経歴
マカチョフ・マキシム氏。ウズベキスタン生まれでロシア国籍の『susuROBO』の創業者だ。
まずは、大阪で起業するに至ったマカチョフ氏の経歴について伺った。
「ロシア・モスクワの大学を卒業後、香港の大学院に進学しました。その後、アメリカのピッツバーグ大学で『AIと人間の会話』の研究に参加し、そのままカーネギーメロン大学に籍を移して、ロボットによるコミュニケーションの研究を積み重ね、博士号を取得しています。その当時2010年頃でしたが、初めて大阪に来たことを覚えています」
世界各地の学術機関でAIやロボットの研究を行ってきたマカチョフ氏の華麗なる経歴は、まだまだ続く。
「さまざまな大学や大学院で研究に携わっていたので、商品開発にも一度関わってみたいと思い、シリコンバレーのスタートアップ企業である『Jibo』にエンジニアとして就職し、4年間で複数のプロジェクトに関わりました。その後はアメリカでも起業しましたし、ファーウェイやVolleyなどの有名企業のプロジェクトに参加していたこともあります」
この他、日本の研究機関でのインターンシップ経験も持っているそうだ。
興味のあった日本・大阪で起業した理由
ITエンジニアとして多彩な経歴を持つマカチョフ氏が、なぜ日本で起業することになったのか、その経緯をお聞きした。
「日本には20年以上前から興味があったので、大学でも日本語の授業を履修し、少し話せるくらいでした。本格的に日本で起業するために来日したのが2019年8月。その当時は観光ビザでしたが、外国人起業活動促進事業の制度を知って、その申請を行いました」
他の地域ではなく、大阪での起業を選んだ理由についてマカチョフ氏は笑いながら、こう話す。
「まず大阪では最長で1年間の在留資格が得られること。それと同時に他の地域でも問合せしたのですが、大阪で相談した大阪産業創造館のスタッフの方が一番テキパキと丁寧に教えてくれて、話を進めてくれるのが早かったので(笑)」
大阪産業創造館にビザの相談をしたことが、TEQSの入居のきっかけにもなった。
「ビザ取得のためにはオフィスが必要です。だから、大阪市内のコワーキングスペースやインキュベーションスペースもいくつか見学しました。希望は『自分の専用デスクもしくは部屋があること』『他のスタートアップ企業と交流できること』『家賃が安いこと』で、その条件を一番満たしてくれるのがTEQSでした(笑)」
ロボットがキャラに合わせて声を変えるシステム
こうした経緯のもと、2021年2月に法人化した『susuROBO』の強みや事業内容を伺った。
「私はこれまでに『人とロボットが会話する』ことに対して、多くの研究や仕事をしてきました。その強みを活かして自然言語によるロボットの音声応答システムの開発を行っています。現在もスマートスピーカーに問いかけることで適切な回答をする仕組みはあります。しかし、当社では回答の精度を追求するのではなく、回答するロボットのキャラクターを自在に変更する仕組みを開発中です」
「例えば、当社の技術を利用することで、回答するロボットの音声が企業のマスコットキャラや自治体のご当地キャラの声に変えることができます。方言や多言語にも対応可能なので、日本各地の言葉だけでなく、例えばマレーシアで使われているマレー語などの少し珍しい言語でもロボットが自然言語で回答できるようになります」
現時点で本サービスの完全版は開発段階だが、部分的なシステムはすでにサービスとして提供を開始しているそうだ。
最後にTEQSに入居した感想や、日本でのこれからのビジネスについてお話してもらった。
「TEQSの魅力は、いろいろな企業や人と出会えることです。ハードウェアやソフトウェアの企業が入居していますし、それらにつながる企業や人もたくさん訪れます。私たちのようなスタートアップ企業には、こうした出会いやイベントがとても重要です。その機会を多く用意してくれるのが、TEQSの一番の魅力だと思います」
「私はこれまでにさまざまな国で生活してきました。国によって文化や考え方に違いがあり、難しいこともありますが、いつも面白いチャレンジだと考えています。今回の日本での起業も、本当に楽しいです。会社も設立したので今後は、経営管理ビザを取得して、当面は日本を拠点にビジネスを進めていきたいと思っています」
掲載日
取材・文 中西 義富(Office Vinculo)
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